1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07801026
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩崎 信彦 神戸大学, 文学部, 教授 (20086052)
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Keywords | 死生論 / 霊魂論 |
Research Abstract |
現在における死生論、霊魂論に関して、大きな事件が2つ起こった。阪神大震災とオーム真理教事件である。 阪神大震災は、はじめて近代都市の直下を襲った地震であり、6000名余りの生命を奪った。とくに、インナーシティの老朽住宅群に集中した被害は、一瞬の間に目の前で家族の命を飲み込んでいった。生命の再建も非常に困難であり、そういう厳しい状況の中で、肉親喪失の悲しみを乗り越えて行かなければならない。今年度は、そのような被災者の被害状況と困難な生活状況を把握することに努めた。そして、1周忌を過ぎ、家族を失った方への直接のインタビュー調査を開始した。現在、鋭意進めている最中である。 一方、オーム真理教事件は、予想もしなかった陰惨な結末にいたった。青年を中心とする「魂なき時代」の精神風景を凝集させて表現したといえる。能力主義時代の「超能力」願望と「科学的」修業、神智学的「霊魂」論の観念的理解による殺人の正当化、閉鎖的教団組織のなかでの「解脱」競争と出世競争。これらのことを分析するために、オーム関係の論説、神智学関係の文献の収集と分析を行った。これを第2年度も発展させる。 これらの分析を人類史の視野のもとに行うために、前近代から近代への転換期に宗教がどのように「乗り越えられていったかを再検討している。デュルケーム、ジンメルの霊魂論、ウェーバーの「呪術からの解放」論、またウェーバー、マルクスのユダヤ教論などを再検討した。大きな問題であり、第2年度も続行する。 その他、研究補助者の協力を得て、日本の伝統的な祭りに含まれている宇宙論的構造を調査研究を長崎県の離島において行った。
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