1995 Fiscal Year Annual Research Report
不登校児童生徒の課程修了・卒業認定に対する校長の裁量権に関する実証的研究
Project/Area Number |
07801039
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
石田 美清 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20144785)
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Keywords | 不登校 / 就学義務 / 教育保障 / 生徒指導 / 校長 / 教育委員会 |
Research Abstract |
文献研究によって、全国の都道府県教育委員会規則集を収集し、学校管理規則等に基づいて、児童生徒の課程修了・卒業認定に際して基準を設けている都道府県教育委員会はないことが明らかになった。そこで、全国の663の市教育委員会を対象として調査を実施し、当該事項について、教育委員会規則によるもの2、要領・要項によるもの2、校長会などの申し合わせによるもの12という結果を得た。つまり大半の市教育委員会は、各学校の校長の裁量に委ねていると推測される。しかし、現職教員(約30人)を対象とした予備調査では、課程修了・卒業認定の際の資料として用いられる指導要録や出席簿等の作成方法や手続きは各学校によって異なっており、必ずしも課程修了・卒業認定の根拠資料とされていないことも明らかになった。さらに、不登校児童生徒に対して指導要録上出席と認めている適応指導教室を対象とした調査(337教室)では、児童生徒の出欠、学習、行動の記録に関する連絡は在籍校と十分なのは全体の1/4程度であった。以上のことから、児童生徒の課程修了・卒業認定は、各学校によってその実態は異なっており、校長の裁量権として行われているが、その手続や根拠資料については明確でないことが多く、学校に出席していない不登校児童生徒の課程修了・卒業認に際しては、いわゆる教育的配慮を優先させて行われていると推測される。そこで、学年末期に、全国の校長を対象とした予備調査を実施し、不登校児童生徒の課程修了・卒業認定に関する実態の把握や校長の意識に関する調査を継続している。
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