1995 Fiscal Year Annual Research Report
戦前の日米関係における日本人とアフリカ系アフリカ人の交流と影響の史的考察
Project/Area Number |
07801049
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
古川 博巳 天理大学, 国際文化部, 教授 (20047442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KEARNEY Regi 神田外語大学, 外国語学部, 助教授 (60265494)
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Keywords | 日米関係 / アフリカ系アメリカ人 / 国際交流 |
Research Abstract |
平成7年度は、江戸期より19世紀末まで、ないし明治時代まはた主たる対象に、日米の関連資料の発掘と収集にあたった。 日米間の初期の接触とし1797年ごろより約10年間、蘭船に替わり長崎への米傭船の入港があった。それらの米船には「黒人」が乗り組んでいた。19世紀に米船に救助された日本人海難者ジョン万次郎、ジョセフ彦らの黒人についての見聞、1845年の米捕鯨船マンハッタン号上での日本人と黒人船員との交歓、「黒船」来航時に旗艦上での黒人芸能ミンストレルシーの披露などにつき、資料により知見をえた。万延元年の遣米使節団の記録と明治4年の岩倉使節団の渋米中の見聞を、その人種観・黒人観から比較検討した。 明治期の黒人教育機関と日本(人)の関係では、明治11年のフィスク大学合唱団の来日経緯、ハンプトン学院、ハワード大学に学んだ日本人留学生や政府高官の上記への視察などが明らかになった。北海道虻田村での小谷部全一郎によるアイヌ人職業教育使節の設立(1905)は、彼がアメリカの黒人実業学校や黒人大学で体得した理念の実践であったことが実証された。 ラフカディオ・ハーンの米国でのアフリカ系アメリカ人や日本での部落民との接触の事実、日清・日露戦争における日本の勝利が白人人種と有色人種に与えた対照的なインパクト、とりわけアメリカ黒人におよぼした影響下に、日本(人)への親近感が芽生えたことなどが判明した。 これらの調査内容については、天理大学アメリカ研究会のニューズレターTHE AMERICAS TODAYやその他に研究の一部を紹介した。
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Research Products
(1 results)