• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1996 Fiscal Year Annual Research Report

知的所有権の形成とその国際移転に対する課税

Research Project

Project/Area Number 07802002
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

岡村 忠生  京都大学, 法学研究科, 教授 (30183768)

Keywords無形資産 / 知的所有権 / 地点財産権 / 転移価格税制 / 国際課税
Research Abstract

1.知的所有権(知的財産権)をはじめとする無形資産の国際移転に対する課税において、無形資産が加速償却をはじめとする租税優遇を背景に形成されていることから、無形資産が国外に移転する場合には、優遇を与えた国は、その与えた優遇を取り戻すという政策が存在する。しかし、実現には、無形資産のうち、どれだけが優遇によるものであり、どれだけが実体的に生み出されたもの(無形資産という価値の創出、すなわち所得の発生に係るもの)かを決定することは、極めて困難である。
こうした問題意識からは、租税優遇の取り戻しを独立して考えるだけではなく、むしろより一般的に、所得の発生があった国がその所得に対する課税権を持つという原則をまず確認した上で、その特殊なケースとして、無形資産に係る優遇の取り戻しを検討すべきであるといえる。この所得発生地主義の原則は、たとえば不動産所得に関して、OECDモデル条約6条1項や国連モデル条約同条同項にみられる。
2.無形資産に対する課税は、その国外移転時だけでなく、移転後に授受されるロイヤリティに対する課税を通じても可能である場合が多い。すなわち、たとえば国内の親会社が一定の段階まで開発し、軽課税国の子会社に移転される無形資産については、移転後に親会社が子会社に支払うロイヤリティは、親会社のある国が課す源泉徴収税の対象となる。(ただし、租税条約による軽減の可能性がある)。この源泉徴収税は、無形資産の使用地国としての課税権に基づく。それゆえ、このケースでは、課税を移転時に行うか移転後に行うかの選択肢が存在することになる。より一般化すれば、無形資産の形成(所得の発生)か無形資産の使用かという選択である。なお、無形資産を親会社が利用しなければ、ロイヤリティに対する課税は、もちろん不可能である。しかし、たとえばノウハウのような無形資産が当事者が認識していなくても、課税庁により擬制される場合があることに注意すべきである。

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi