1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07803001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 和也 東京大学, 経済学部, 助教授 (50201439)
|
Keywords | 期待効用仮説 / 非期待効用仮説 / ノンパラメトリックテスト / 顕示選好理論 / 動学的最適化 |
Research Abstract |
マクロ経済学では、代表的消費者が一定の割引率で時間について加法的な期待効用関数を持つと仮定することが多い。この仮定に関し、1.現実には複数の消費者がいるのに、代表的消費者の効用関数を考えてもよいか、2.たとえ代表的消費者の効用関数を考えてもよいとしても関数型が特殊すぎないか、が問題になる。そこで、本研究では、1.消費と貯蓄(あるいはポートフォリオ)の時系列データが、何らかの単一の関数の最大化から導かれたとみなせるか、および2.もしデータが関数の最大化から導かれたとするなら、それはいかなる関数型を持つかをノンパラメトリックにテストする方法を開発した。このテストは、ある種の顕示選好理論に基ずいている。具体的には、以下の3つの結果を得た。 1.データが、時間について加法的な期待効用関数から導かれたとみなせるか判定できる条件と、一定の割引率を持つ時間について加法的な期待効用関数から導かれたとみなせるか判定できる条件を導出した。 2.1.の条件は一般線形空間上の非常に一般的な条件なので、特殊な場合に限定して、データが1.の2つの条件を満たすかどうかテストするアルゴリズムを完成した。これをコンピューターに実装すれば、実際のデータによるテストが可能になる。ただし、現在のところ実験によるデータしかテストできない。今後は、実験により実際にテストを行いたい。 3.データが、時間について非加法的な効用関数から導かれたとみなせるか判定できる条件を導出した。ただし、この条件をテストするアルゴリズムは完成していない。また、条件も2期間の場合にしか導出していない。今後はこれらの点を解決することが問題になる。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 神谷和也: "Nonparametric Restrictions of Dynamic Optimization Behavion under Riski The Case of Time-Additive Expected Utility" Discussion Paper Series,Faculty of Economics,University of Tokyo. 95-F-27. (1995)