1996 Fiscal Year Annual Research Report
モンテカルロシミュレーションによるSi(III)7x7構造の相転移に関する研究
Project/Area Number |
07805005
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Research Institution | FUKUOKA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
加藤 友彦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (90023217)
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Keywords | Si(III)7x7 structure / DAS structure / 2-D phase transition / lattice gas model / quenched surface / pattem formation / structural phase transition |
Research Abstract |
<1>7x7構造のモデル化 7x7領域の半分の正3角形を単位として,積層欠陥を持つ状態(F状態)と持たない状態('1x1'状態)を格子ガラスモデルで表現した.構造上,F状態を取り得るのは一つのサブラセルのみであることを確認し,このセル間の相互作用としてハミルトニアンを設定した.各相互作用と7x7構造を構成するコーナーホール,積層欠陥,ダイマーなどの形成エネルギーとの関係を導き,ある型の3体の相互作用が存在することを示した.また,高温の'1x1'相はdisorderな状態であるのと事実に対応し,'1x1'状態は色々な状態の集合であるとし縮退度を導入した. <2>数値計算 上記のモデルを用いて,モンテカルロシミュレーションの方法により数値計算を行った.その結果,(1)ある温度で一次相転移をすること,(2)急冷表面上における7x7構造の成長パターンの特徴をFステップ,Uステップ,テラス上,それぞれの場合に良く実験事実を再現すること,(3)急冷表面上の7x7構造成長における成長核の臨界サイズの温度依存性が実験結果と定性的に一致すること,等の成果を得た. <3>成果の公表 上記の結果は,色々な試行錯誤の末に到達したものであり,各段階の成果は,福岡工業大学研究論集(2報),1995.11,1996.11日本物理学会九州支部例会,1996.9日本物理学会分科会で発表している.また,最新の成果については,1997.3日本物理学会年会で発表予定であり,また,近く査読付論文誌に投稿予定である.
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