1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07805008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅 博 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80079574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 正敏 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40170279)
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Keywords | ESEM / ASEM / AIRSEM / 電子ビーム分析 / 試料分析 / 検体 |
Research Abstract |
電子ビームを発生する鏡筒に薄膜窓を設け,そこからビームを空気中に取り出し,試料の観察や分析を行う簡易装置を提案した. この装置の設計のために必要な、真空、固体、空気中の電子の振る舞いを正確に計算出来るシミュレーションソフトを開発し、電子感光性薄膜による実験によって、その正確さを確認した。この一連の研究結果は電子情報通信学会英文論文誌に発表した。 そしてそのシミュレーションソフトによって分析装置の可能性について解析した.その結果,例えば厚さ1μmのBe窓を持つ鏡筒をつくり,窓から10μm離れた空気中に試料(例えば水)を置くとした場合,100keVに加速した電子ビームを用いれば, (1)試料面での電子ビームの広がりは約0.95μmに抑えられること (2)試料から入射電子数の6-15%の反射電子が得られること などが分かった.これらの結果より実用的な解像度と情報収集機能を持つ,簡易電子ビーム分析器の実現の可能性が高いことが分かった.この研究成果は電子情報通信学会論文誌に発表した。 今後の課題は,散乱の極少ないオリゴ散乱ビームの利用について検討を進めること(すでにシミュレーションによりオリゴ散乱ビームの存在は確認したので、これについても近々発表予定である)、2次電子の影響を計算に入れた散乱現象の解析プログラムを開発し、より高精度な解析を行うこと、磁界を利用した散乱抑制法について検討すること、これまで平行しておこなってきた実験結果を参考に装置を試作し、シミュレーションと実験値との比較、照合を行い、より実用化に接近することである。
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[Publications] T. KIJIMA, M. KOTERA H. SUGA, Y. NAKASE: "Monte Carlo Calculation on the Passage of Electrons through Thin Films Irradiated by 300keV Electrons" IEICE Transactions on Electronics. E78-C. 557-563 (1995)
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[Publications] 趙 剛、熊野秀昭、来島利幸 小寺正敏、菅 博: "空気試料観測用電子ビーム分析装置の検討" 電子情報通信学会論文誌C-II. J78-C-II. 587-591 (1995)