1995 Fiscal Year Annual Research Report
R-L-Diode回路のカオス同期とそのSecure通信への応用可能性
Project/Area Number |
07805038
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松本 隆 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063767)
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Keywords | R-L-Diode回路 / カオス / 分岐 / カオス同期 |
Research Abstract |
R-L-Diode回路はその単純さにもかかわらず、豊かな分岐現象(周期倍分岐、saddle-node分岐、intermittency,crisis,chaos等)が観測される。我々の様な工学の分野だけでなく物理学の研究者達もこの回路を研究している理由の一つはこの系には人工的(artificial)な部分が全くない自然な系だからと思われる。 この系の自然さは、ほとんど同じ形の式(ダイナミクス)が全く異なる分野から生じることからも理解される。例えば、Gear Meshingの問題に我々が観測した分岐現象(choas的アトラクタも含め)と極めてよく似たものが報告されているし、complaint off-shore structureと呼ばれる系でも同様なダイナミクスがあらわれる。 本研究の成果は三つある。 1.この系でPecora-Carrol同期を実験で観測した事; 2.この系を記述するダイナミクス(微分方程式)がPecora-Carrol同期をすることの証明を与えた事; 3.この系を用いたsecure通信への応用可能性の初期的実験を行った事; 従って、この系は、実験及び理論両面からPecora-Carrol同期が確認された極めて数少ないもののひとつとなったと思われる。尚、理論的(解析的)結果を導くPecora-Carrolのconditional Lyapunov-exponentsを用いないのがポイントのひとつである。
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