1996 Fiscal Year Annual Research Report
繊維シートを外部緊張材に用いたコンクリート部材の補強効果
Project/Area Number |
07805044
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
志村 和紀 北海道大学, 工学部, 助手 (60187474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 多門 北海道大学, 工学部, 助教授 (00151796)
佐伯 昇 北海道大学, 工学部, 教授 (80002004)
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Keywords | 繊維シート / 緊張材 / アラミド繊維 / 炭素繊維 / 付着 / 接着 / ウェブ補強 / 剥離 |
Research Abstract |
土木構造物の補修・補強を目的として、繊維シートを緊張しRC部材に接着する工法について検討を行った。繊維シートとしては炭素繊維およびアラミド繊維シートを用いた。実験はシートとコンクリートの付着試験およびT形RC試験体のウェブ部に緊張・接着したPRC桁の曲げせん断試験を行った。以下に得られた知見を示す。 1.付着試験の結果、シートの引張荷重作用端から定着端方向へ10cm以上離れた部分は付着応力が生じず、有効付着長は約10cmであった。 2.シートの剥離せん断破壊が起こる場合の桁の有効付着面は斜めひび割れ面とシートの高さの1/2までの横断面で囲まれる直角三角形と見なすことができる。 3.シートを緊張・接着することにより部材の曲げ耐力・せん断耐力共に増加した。 4.あらかじめひび割れを入れた試験体の耐力はひび割れの無い場合に比べ低下するが、シートを緊張・接着することにより、耐力はひび割れの無いものを補強した場合と同程度まで向上した。 5.曲げ耐力は従来のプレストレストコンクリートの計算法を適用して算定できる。 6.せん断耐力については従来のトラス理論に準じ、シートとコンクリートの付着強度をコンクリートのせん断強度と仮定することによって算定できる。
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[Publications] 甄 暁青: "FRPシートによるPRC桁の補強効果について" 土木学会北海道支部論文報告集. 52(A). 694-699 (1996)
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[Publications] 甄 暁青: "アラミド繊維シートを緊張材として用いたPRC桁の耐力" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. V. 934-935 (1996)
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[Publications] 甄 暁青: "連続繊維シートによるPRC桁の補強効果について" セメント・コンクリート論文集. No. 50. 340-345 (1996)
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[Publications] 出雲健司: "アラミド繊維シートを緊張材として用いたPRC部材の曲げ・せん断補強効果" 新素材のコンクリート構造物への利用シンポジウム論文報告集. 141-146 (1996)
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[Publications] 浅水俊博: "コンクリートと炭素繊維シートおよびアラミド繊維シートの付着特性" 土木学会北海道支部論文報告集. 53(A). 586-589 (1997)
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[Publications] 出雲健司: "テンション繊維シートを接着した桁の補強効果" 土木学会北海道支部論文報告集. 53(A). 602-605 (1997)