1995 Fiscal Year Annual Research Report
破壊的地震動の伝播における地層内フィルター効果に関する研究
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07805052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉村 義広 東北大学, 工学部, 教授 (90206425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 潤 東北大学, 工学部, 助手 (90217521)
栗田 哲 東北大学, 工学部, 助教授 (90195553)
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Keywords | 軟弱地盤 / 非線形応答解析 / 釧路沖地震 / 最大加速度 / 地震被害 / フィルター効果 |
Research Abstract |
1994年三陸はるか沖地震では、八戸市各地で地震記録が得られており、応答解析結果と比較する上で有効なため、破壊的地震動の増幅特性と地盤構成の関係を追究するための解析対象とした。 解析における入力動としては、岩盤に設置された八戸工大のGL-20mでの地震計による本震の記録を用いた。市内の代表的な場所、とくに地震動の記録が得られている位置での地盤条件を、水平成層を仮定して一次元せん断多質点系の非線形解析を行った。その結果、以下のような事項が明らかとなった。 1)八戸市における被害は、概して低地部では少なく、台地部に集中する傾向があった。しかし、本震では新井田川の西部の台地上にある市中央部で、最大余震では東部の台地上で被害が多く、対照性を示すとともに地盤条件の差異の影響が大きいことを示唆している。したがって、東部台地をゾーン1、市中央部の台地をゾーン2、西部の低地をゾーン3として分類し、それぞれの代表的な地盤条件を選定した。 2)ゾーン1の八戸測候所では、基盤の深さがGL-10m程度であり、解析結果では、表層地盤の1次固有周期に近い成分の0.2〜0.4秒が卓越し、実測加速度波形の速度応答スペクトルのピークとよく対応する。したがって、表層にある火山灰質粘土層の非線形性が支配的な要因となる。 3)ゾーン2の八戸市役所では、GL-40m程度の支持地盤よりもずっと深いGL-100m程度の地震基盤までをモデル化して解析を行うと、実測波形の速度応答スペクトルにおけるピークである0.8〜1.0秒とよく対応する。 4)ゾーン3の八戸港では、基盤の深さGL-400m程度までを考慮すると2.5秒付近と1.0秒付近の速度応答スペクトルのピークが得られ、実測波形の結果をよく説明する。
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