1997 Fiscal Year Annual Research Report
建築設備系分野におけるCADシステムを用いた製図教育のあり方に関する調査研究
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07805053
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Research Institution | College of Science and Technology, Tohoku. |
Principal Investigator |
須藤 諭 東北科学技術短期大学, 建築設備環境学科, 助教授 (10187792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 広則 東北科学技術短期大学, 建築設備環境学科, 助手 (30258800)
中村 守保 東北科学技術短期大学, 建築設備環境学科, 教授 (50258795)
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Keywords | CAD教育 / 建築設備系分野 / 製図教育 / カリキュラム |
Research Abstract |
1.研究目的 建築設備系企業における設備CADシステムの導入状況に関する調査と、関連教育機関におけるCAD教育実施の実態調査を行い、建築設備系分野のCAD教育のあり方に関する基礎資料を得ることを目的とした。 2.研究結果 平成7年度からの継続研究の最終年度として、全体のまとめと補足調査を行った。 平成7年度に全国建築設備系企業約500社にCADシステム導入運用状況に関する調査を行い、103社の回答を得た。その結果CADシステムを導入している企業は70%以上であり、企業の専門分野別(給排水衛生・空調・電気防災)でも差がなく高い割合で導入している実態が分った。CADシステム運用者の学歴等をみると男性は高校工業科・大学工学部系出身者が圧倒的で全体の25%を超えた。女性に比較的多かったのは、高校普通科・工業科で全体の10%前後であるが、男性のCAD運用者には工学的な教育歴を要求されるのに対し、女性の場合関係は薄かった。平成8年度には仙台市所在の企業308社に導入運用状況調査を行ない、62社より回答を得た。この調査から仙台市、東北地域及び首都圏の3地域における分析を行った結果、CADシステムの導入状況は地域によらず設備工事が最多で60%を超えた。専門分野別には仙台市では空調が最多で30%を超えたが、首都圏・東北地域では電気防災が最多の40%となった。また、CAD運用者の学歴は仙台市では高校工業科・大学工学部系出身者の男性が最も多く30%であったのに対して、東北地域では高校工業科出身者の男性が30%を超えた。首都圏では大学工学部系出身者の男性が30%近くに達するのに対し、専門学校等出身の女性CAD運用者が20%近い割合を占めた。 一方、全国の建築及び設備系教育機関を対象に環境工学・建築設備系科目におけるコンピュータ及びCAD教育の実施状況も行った。回答を得られた教育機関は大学54校、短大・工業高専・短期大学校13校、専門学校20校の計87校であった。設計製図科目等における環境工学・建築設備関連教育の実施率は全体的に低く、専門学校で20%その他は10%程度であった。また、環境工学・設備系科目においてCAD教育を実施しているのは、最も多いのが高専・短大で20%を超えていたが、大学は7%と極めて低い割合を示すことが分った。 3.まとめ、本研究の結果より、設備系企業におけるCADシステムの運用は重要度を高めていることが明らかになった。これに対して教育機関では相変わらずCAD、デザイン教育として位置づけられ、設備系分野でのCAD教育は未整備であり、建築設備系学科におけるCAD教育を含めた教育カリキュラムを構築することが急務であることが指摘される。
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[Publications] 川村広則,他: "大学等における環境・設備系科目へのCADシステム等の導入状況(建築設備系分野におけるCADによる製図教育に関する調査研究その6)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 539-540 (1997)
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[Publications] 川村広則,他: "建築設備環境学科におけるCAD教育の試みその2" 東北科学技術短期大学研究紀要. 第4巻(予定). 10 (1998)
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[Publications] 川村広則,他: "全国大学等の環境・設備系科目におけるCAD等の導入状況調査(建築設備系学科におけるCAD教育に関する研究その3)" 平成10年度工学・工業教育研究講演会講演論文集. (予定). 4 (1998)
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[Publications] 川村広則,他: "大学等における環境・設備系科目へのCADシステム等の導入状況その2(建築設備系分野におけるCADによる製図教育に関する調査研究その7)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. (予定). 2 (1998)