1995 Fiscal Year Annual Research Report
近代都市成立期における居住地管理システムの変容と再編に関する研究
Project/Area Number |
07805056
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
増井 正哉 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (40190350)
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Keywords | 都市祭礼 / 町共同体 / 歴史的市街地 / 小学校文書 |
Research Abstract |
本研究は、近代都市が制度的にも形態的にも本格的に整備される江戸後期から明治中期までを「近代都市成立期」と定義し、関係史料の分析をとおして、この時期に、「町」を中心として管理システムがどのように変容し、再編されたかを明らかにする。 平成7年度の作業は、「町」、「戸長役場」、学区関連資料を収集することであった。具体的には、近世において自治的な町共同体が形成され、また近代都市成立期の史料が多数残存する大阪・京都の両都市と大津市の町、戸長役場、学区の史料,府・市等の行政史料である。こうした史料は、各町,元学区(主として小学校)に保管され,また公的機関によって収集され,保管されているものもある。実際に研究代表者が調査したのは 大阪関係 大阪市公文書館/大阪市史編纂所/三井文庫/奈良女子大学 京都関係 京都市歴史資料館/京都府総合資料館 大津関係 大津市歴史博物館/大津祭曳山連盟 である。また、町・小学校所在史料は膨大な数に上ると考えられるが、京都市中心部の鯉山町のほか5か町の町文書、大阪では開平小学校所蔵文書の調査を行った。また大津市では大津祭の関連資料に貴重な発見があった。 とくに開平小学校の所蔵文書は旧戸長役場に残されていたもので、明治19年階段の大阪北船場の町家の平面1900戸分を含む膨大な史料である。現在その整理を優先して進めている。また、大津の史料は近世末から昭和戦前期、つまり近代都市成立期の大津祭と町共同体のあり方を明らかにする史料である。現在の大津祭りの運営形態と関連づけながら検討を進めている。
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