1995 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジアのツングース系諸民族住居に関する歴史民族学的研究〜東夷のなかの倭の相対化へむけて〜
Project/Area Number |
07805059
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (90183730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼杵 勲 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (80211770)
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Keywords | 東夷 / ツングース / 古アジア族 / 竪穴住居 / テント / 定住 / 住み替え / 倭 |
Research Abstract |
中国正史の東夷伝および北狄伝にみえる建築関係の記載については、すでに集成を完了し、論文を発表した(浅川「正史東夷伝にみえる住まいの素描」「文化財論叢II」奈良国立文化財研究所40周年論文集、1995年:p.795-819)。馬韓、勿吉、靺鞨などが土葺きの竪穴住居をもち、特に勿吉・靺鞨系の竪穴住居は屋上から刻み梯子で出入りするタイプの竪穴住居で、アリューシャン列島のアレウト族、カムチャッカ半島のカムチャダール族、北米のトンプソンインディアンなどの竪穴住居とほぼ同じものと思われる。一方、東夷伝における倭の記載に竪穴住居の記載はまったくないが、『風土記』にみえる「土蜘蛛の土窟」という描写や、各地で発見されている焼失住居からみて、日本各地にも土葺き屋根をもつ竪穴住居が存在したのはあきらかで、馬韓、勿吉、靺鞨との連続性を確認できた。また、南方的な文化要素とみなされがちな高床建物についても、「晋書」粛慎伝と「随書」室韋伝に夏の家としての「巣居」、「三国志」高句麗伝には高床倉庫の描写があり、北方的な視点から系譜を再考する必要のあることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 浅川滋男: "雲南に流れこんだ北方文化 〜建築の系譜からみた西北雲南のチベット・ビルマ語族" 季刊民族学. 72号. 43-58 (1995)
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[Publications] 浅川滋男: "南方中国における先史住居址と高床式建築の起源" 吉田集而(編)『生活技術の人類学』平凡社. 302-325 (1995)
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[Publications] 浅川滋男: "正史東夷伝にみえる住まいの素描" 文化財論叢. II. 795-819 (1995)
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[Publications] 浅川滋男: "東アジアからみた日本の住い" 巽和夫(編)『未来住宅』学芸出版社. 145-175 (1996)
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[Publications] 小寺武久・浅川滋男ほか: "東洋建築史図集" 日本建築学会, 211 (1995)