1996 Fiscal Year Annual Research Report
規則パラメーターのベクトル表示によるL1_2型合金の規則化ダイナミクスの解析
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07805060
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桑野 範之 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (50038022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多 聡 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60264107)
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20203078)
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Keywords | 速度方程式 / 規則度 / 逆位相境界 / Pottsモデル / wetting現象 / 計算機シミュレーション / 規則合金 / 自由エネルギー |
Research Abstract |
前年度までにCu_3Au(L1_2)型規則合金について、その規則化プロセスと微細組織変化を記述するためにギンツブルグ・ランダウ展開による速度式の定式化を試みたので、本年度はこれを応用してCu_3Pt合金における微細構造変化の解析を試みた。まず、均一な規則状態を想定してCu-Pt合金の状態図を再現するようにエネルギーパラメーターを決定した。L1_2型規則構造に含まれる4つの位相はPottsモデルを採用することにより表示した。すなわち、S=S(η1,η2,η3,η4)を導入した。次に、合金の規則度を組成と規則度の傾きによるエネルギー増加を考慮に入れることにより、一般的な変態過程に対応した速度方程式とし、これを数値的に解くことにより、微細組織の発展を解析した。計算により得られた主な結果を以下に示す。(1)逆位相境界ではη1がスムーズに減少し、η2増加する事により位相が変化する様子が確かめられた。(2)逆位相境界近傍では規則度が0となる状態が発生し、そこでの組成は状態図での不規則領域の値になる。これは、逆位相境界に不規則相の出現(すなわち、weting現象)に対応する。(3)今回の計算で求められた逆位相相境界近傍の規則度の変化は、クラスター変分法で得られている結果とよく対応している。(4)周期的逆位相境界がヘヤピン機構によって消滅していく過程がうまく再現できた。(5)このほかにも、実験で観察された逆位相境界の挙動や相分解の様子を本速度式により再現することに成功した。 さらに、周期的逆位相境界の形成をも再現できるように速度式の改良を試みている。
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[Publications] 松本明善、千綿伸彦、桑野範之、沖 憲典: "時間依存型ギンツブルグ・ランダウモデルによる規則-不規則相転位過程の計算機シミュレーション" 九州大学大学院総合理工学研究科報告. 18(2). 169-174 (1996)
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[Publications] A.Matsumoto,K.Matsuno,N.Chiwata,N.Kuwano,K.Oki: "In-situ TEM observation of phase transformation processes in Cu_3Pt with a long-period superstructure" J.Electron Microscopy. 45(5). 442-447 (1996)