1995 Fiscal Year Annual Research Report
電場を利用した晶析による有機化合物の精製に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07805070
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩井 芳夫 九州大学, 工学部, 助教授 (80176528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田尾 徹 九州大学, 工学部, 助手 (90212901)
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Keywords | 電場 / 晶析 / 有機化合物 / 精製 / ゾーンメルティング / ノーマルフリージング / ナフタレン / キシレノール |
Research Abstract |
晶析による3,5-キシレノール(極性物質)+ナフタレン(無極性物質)系の分離・精製における電場の効果を検討した。3,5-キシレノールが主成分である場合には、電場により不純物(ナフタレン)の濃度が減少し、ナフタレンが主成分である場合には、不純物(3,5-キシレノール)の濃度が増加することを実験的に見いだした。また、電場と不純物の結晶中への取り込みを解明する目的で、電場をかけた状態で結晶が析出する状況を直接顕微鏡を用いて観察した。これより、以下のことが明らかとなった。3,5-キシレノール(95wt%)+ナフタレン(5wt%)系の結晶成長においては、結晶形状および成長方向への電場の影響は見られなかったが、電場により成長速度が遅くなることがわかった。また、電場をかけた場合には、電極板間において液相の激しい対流が誘起されることがわかった。本系では、この対流が分離効率に影響するものと思われる。つまり、固化の際に不純物が界面に押し出されてくるが、誘起された対流がこの不純物の液相バルクへの拡散を促進したために、結晶中への不純物の取り込みが減少したものと思われる。ナフタレン(95wt%)+3,5-キシレノール(5wt%)系の結晶成長においても、電場により結晶成長が遅くなること、液相の対流が誘起されることがわかった。また、電場をかけた場合には多くの微小な結晶が現れることがわかった。本系では、結晶成長の影響が大であり、電場による微小な結晶の出現が分離効率に影響しているものと思われる。つまり、微小な結晶の出現による固液界面積の増大に伴い、結晶中への不純物の取り込みが増加したものと思われる。
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