1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07805071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小俣 光司 東北大学, 工学部, 助教授 (70185669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 宗慶 東北大学, 工学部, 教授 (40091764)
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Keywords | 水素製造 / 不定比酸化物 / 水分解 / 酸素脱離 |
Research Abstract |
低酸素分圧下で昇温すると格子酸素より酸素が発生する現像は、ペロブスカイト酸化物、スピネル酸化物などの各種の複合酸化物、Co,Mn,Pr,Tbなどの単独酸化物など、いくつかの事例について知られている。一方、低酸化状態の酸化物で、水を還元する能力があるのは申請者が各種の熱力学的データを用いて計算したところ、Cc,Nb,V,Ti,Fe,Snの酸化物など僅かしかない。これらの両成分を含む酸化物の複合化などにより、高温における酸素放出能と低温における水の還元能の両方を有する酸化物系を構築できれば、熱的なサイクルのみで水を分解することが可能となる。本研究ではそのような機能を持つ酸化物を探索するために酸素脱離-水交互導入法による酸化物の適性を検討した。その結果、高温側、アルゴン気流中で酸素を放出した酸化物は、単独酸化物ではCo_3O_4,PrO_2,MnO_2であり、複合系においてはFc,Co,Mn,Pr,Agを含む系であった。一方、水/アルオン気流中で水素の発生が観測されたのは、単独酸化物ではSn,Cc酸化物であり、複合系においては、Sn,Cc,Nb系酸化物であった。単独系の酸化物については、その挙動は熱力学的な推定から得られる結果とほぼ一致していた。水を還元するサイトとしてCeが有望と考えられたので、今年度は重点的にセリウム系について検討を行った。その結果、Ag,Rh等と複合化する事によりセリウム系酸化物から酸素の脱離が見られたが、その後、水の還元は進行しなかった。
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