1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07806009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大崎 満 北海道大学, 農学部, 助手 (60168903)
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Keywords | 耐酸性 / アルミニウム耐性 / 酸性土壌 / 蛇紋岩土壌 / 沖積土 / 進化 |
Research Abstract |
酸性土壌適応植物の栄養特性について明らかにするために、北海道大学植物園(沖積土)、酸性硫酸塩および火山性酸性土壌(酸性土壌)、蛇紋岩土壌(超塩基性土壌)に生育する166種以上の草本と木本植物の葉を採取し各種養分の分析を行ない、比較検討した。 北大植物園(沖積土)に生育する木本植物では、葉のN、P、Ca、Mg含有率は進化とともに高まるが、K含有率はほとんど変化せず、草木植物では、進化との関連性は認められなかった。しかしながら、P、K含有率はN含有率と関係が深く、特にP含有率は進化に伴い相対的関係が変化した。 葉のそれぞれの要素含有率について、北大植物園と酸性土壌もしくは蛇紋岩土壌に生育する植物を綱・亜綱間で比較した。多量要素では、N、P、K含有率は土壌間差が小さく、Ca含有率は北大植物園に比べて酸性土壌もしくは蛇紋岩土壌で低く、Mg含有率は北大植物園に比べて酸性土壌で低く、蛇紋岩土壌で高い傾向にあった。微量要素では、Fe含有率は北大植物園に比べて酸性土壌もしくは蛇紋岩土壌で低く、Mn含有率は北大植物園に比べて酸性土壌もしくは蛇紋岩土壌で高い傾向にあった。Al含有率は北大植物園に比べて酸性土壌もしくは蛇紋岩土壌で一定の傾向を示さず、酸性土壌で可溶性のAlが多く、塩基性の土壌で可溶性のAlが少ないが、このような土壌の性質は葉のAl含有率に直接反映していなかった。以上のように、土壌養分よりは植物の特性に基づいて集積する要素(N、P、K、Al)や土壌養分を強く反映する要素(Ca、Mg、Fe、Mn)が認められた。
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