Research Abstract |
クルクミンが海洋浸漬試験で付着誘引効果を示したことから,この化合物を用いて,従来のムラサキイガイを固定するムラサキイガイアッセイ法を改良した.(平成7年度)さらに,ムラサキイガイを固定し,足糸数の増減をみるアッセイ法も考案した.このアッセイ法では,従来の方法でアッセイできなかった水溶性の物質に適用可能である.(平成7年度)昨年度アッセイに供した化合物に,さらにMgCl_2,CaCl_2,CuSO_4,L-ascorbic acid,sodium benzoate,phenolを追加し,アッセイを行い,Fe(III)EDTA,kojic acid,L-ascorbic acid,sodium benzoateおよびphenolに足糸増加が観察され,MgCl_2,CaCl_2,CuSO_4およびnicotinamideに足糸減少が観察された.また,ムラサキイガイを1個体自由にしておくアッセイ法(昨年開発)に,indigo carmine,α-tocopherol,鉄粉,18-crown-6,BHTについて今年度検討し,curcumin,indigo carmine,α-tocopherol,鉄粉,18-crown-6,BHTに誘引効果があること,nonylphenolに忌避効果があることが分かった.以上の結果から,2つの新しいアッセイ法が確立できた.さらに,従来のムラサキイガイアッセイにおける同じ化合物の結果との比較から,ムラサキイガイの固定化法も付着忌避および誘引物質探索法として適当であることも明らかにした. これらの成果を,Journal of Marine Biotechnologyに投稿し受理され,現在印刷中である.
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