1995 Fiscal Year Annual Research Report
カルシトニン受容体の機能、及びその異常によるヒト疾患の分子病理学的研究
Project/Area Number |
07807023
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
覚道 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00112037)
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Keywords | カルシトニン / カルシトニン受容体 / in situ hybridization / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.in situ hybridizationによるラットカルシトニン受容体mRNAの局在について カルシトニンレセプター(CTR)の生理機能を明らかにすることを目的にラットの腎におけるCTRのm-RNAの局在を調べた。さらに遺伝性甲状腺髄様癌発生モデル動物であるWAGラットとコントロールラットについてCTRmRNAの局在比較を行った。その結果、CTR mRNAは近位尿細管で検出されたが遠位尿細管や集合管では検出されなかった。CTR mRNAはWistarラットでは腎皮質内側部に、WAGラットでは腎皮質外側部に強いシグナルが検出された。これはBouizarらにより報告されたR1標識CTをプローブとして用いたWistarラットとWAGラットにおけるbinding site assayの結果と一致していた。本法によりWistarラットとWAGラットではCTRの局在が異なり、両系のラット腎においてCT-CTR作用発現に差があることが推察された。 2.ヒト カルシトニンレセプター(CRT)遺伝子の対立遺伝子の多様性について 数種類のヒト培養細胞株と組織を用いてCTR cDNAの1377番目のヌクレオチドにCとTのvariationが存在することを明らかにした。これにより147番目のアミノ酸がプロリン型とロイシン型のCTRが存在することになる。147番目のアミノ酸が位置する細胞内ドメイン4にはprotein kinase Aによってリン酸化をうける可能性のある配列が存在することより、2つのCTRの違いが細胞内シグナル伝達に影響をもたらすことが推測できた。また、日本人にはC/Cの遺伝子型が多かった。
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Research Products
(1 results)