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1996 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト肺腺癌発生機構の解析-細胞不死化と癌遺伝子・癌抑制遺伝子の機能

Research Project

Project/Area Number 07807027
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

北村 均  横浜市立大学, 医学部, 教授 (20094302)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安本 茂  神奈川県立がんセンター, 臨床研究所, 室長
Keywords末梢気道上皮細胞 / ヒト / がんウィルス遺伝子 / HPV / SV40 / 不死化 / テロメレース / p53
Research Abstract

本研究の目的は、ヒトがんウィルス遺伝子の導入によりヒト末梢気道上皮細胞を不死化させ、その機序を明らかにすることであった。
成人ヒト(50-60才台の肺癌症例)の正常肺組織片の培養により得た細気管支上皮由来の外生細胞に対して、リポフェクション法を用いてHPV16のゲノムをもつplasmid pHPV16、HPV18のゲノムをもつplasmid pHPV18、その一部E7をもつplasmid pDE7、SV40のゲノムをもつplasmid pSVori-をそれぞれトランスフェクトし継代培養を行った。培地はインスリン、トランスフェリン、エタノラミン/フォスフォエタノラミン、上皮成長因子を含むMCDB152を用いた。
計3回行った実験の結果では、pSVori-のトランスフェクタントは最大9回までの継代が可能であったが(〜20 population doubling(P.D.))、最終的には死滅した。特異抗体を用いた免疫染色で、細胞核にlarge T抗原の発現とp53蛋白の蓄積を認めた。いずれの時点でもテロメレース活性は陰性であった。他のplasmidsのトランスフェクタントは2ないし3回しか継代できなかった(2〜6P.D.)。
今回の研究では、ヒト末梢気道上皮細胞はHPVゲノムの導入では細胞寿命の軽度の延長しか起こらないのに対して、SV40ゲノムの導入により著しい寿命の延長と継代回数の増大(population doubling能力の増大)がもたらされることが示され、それはp53蛋白の機能異常と関連することが推察された。しかしながら、この増殖能の増強は不死化には十分ではなく、テロメレース活性の賦活化も認められなかった。成人ヒト末梢気道上皮細胞の不死化が困難である理由の一つとしてその増殖能が余り高くないことが考えられる。今後は若年者の肺組織などを用い、より増殖能の高い細胞を得て実験を繰り返す予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 大地宏,他: "HPV16およびSV40でトランスフォームした上皮細胞におけるテロメア長の動態とテロメレースの発現" 日本癌学会総会記事. 55. 378 (1996)

  • [Publications] Yasumoto,S.,et al.: "Telomerase activity in normal human epithelial cells." Oncogene. 13. 433-439 (1996)

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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