1995 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスのインターフェロン耐性遺伝子の解析
Project/Area Number |
07807037
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
荒尾 雄二郎 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 主任研究官 (40151146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 靖恭 慶応大学, 医学部眼科学教室, 助手 (90193119)
岩崎 琢也 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 室長 (90146027)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス1型 / 単純ヘルペスウイルス2型 / α型ヒトインターフェロン / β型ヒトインターフェロン / γ型ヒトインターフェロン / インターフェロン抵抗性 / 型間組換えウイルス / マーカーレスキュー |
Research Abstract |
20種類の単純ヘルペスウイルス(HSV)1または2型株(HSV-1、HSV-2)について、α、β及びγ型の核インターフェロン(IFN)の抗ウイルス効果に対する抵抗性を評価した。その結果、HSVのIFN抵抗性には、ウイルス株間で大きなばらつきが認められた。また、少なくとも、ヒト網膜色素上皮細胞を宿主とした場合には、HSVのIFN抵抗性は、IFN各型間で高い相関性があった。各IFN型間でのHSVのIFN抵抗性の相関係数は、0.9以上であった。IFN高感受性HSV-1株とHSV-2株を、IFN処理細胞に重感染させ、その子孫ウイルスより、IFN抵抗性の回復した型間組換えHSV株を選抜した。それらの型間組換えHSV株のうち、IFN抵抗性の回復度が高い株が4株存在し、その中の一株であるC4Y38株は、HSV-1ゲノムとHSV-2ゲノム間の遺伝子組換え領域が最も少く、これを、BamHIで切断して分析したところ、HSV-2ゲノムからHSV-2のBamHI-A、T断片が失われ、HSV-1のBamHI-I断片が出現した。従って、この領域にHSV-2のIFN抵抗性が存在すると想定される。次に、この領域を含有するHSV-2DNA断片を、IFN抵抗性HSV-2株よりクローン化し、これらの断片を用いてIFN高感受性HSV-2株のIFN抵抗性をレスキューした結果、その中の一つのクローン化DNA断片を用いた場合に、他のクローン化DNA断片を用いた場合よりも、子孫ウイルスのプラーク形成効率が上昇した。従って、そのクローン化DNA断片上にHSV-2のIFN抵抗性に関与したウイルス遺伝子があると推測されるので、現在、確認中である。
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