1995 Fiscal Year Annual Research Report
肝転移モデルを用いたHGFの肝細胞癌に対する抗腫瘍効果:トランスジェニックマウスを用いた検討
Project/Area Number |
07807057
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
汐田 剛史 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (70263457)
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Keywords | HGF / 肝細胞癌 / 肝転移 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1、HGFトランスジェニックマウスとヌードマウスのキメラ化 肝癌細胞を拒絶反応なく移植するため、HGFトランスジェニックマウスとヌードマウスのキメラ化が必要である。HGFトランスジェニックマウスはFVBを使用しているので、まず両者を交配し、HGFとヌードの両alleのヘテロザイゴ-ト(HGF/+,nu/+)を得た。さらに、ヌードマウス(+/+,nu/nu)と交配し、HGFとヌードマウスの両者のフェノタイプを有するキメラマウス(HGF/+,nu/nu)を作成した。本マウスは、肝臓にHGFトランスジーンを発現するヌードマウスである。われわれは、14匹のHGFとヌードのキメラマウスを作成した。 2、われわれは14匹のキメラマウスを使用して、肝転移モデルにおけるHGFの肝癌細胞の肝転移へ及ぼす効果を検討した。まず、HUH7肝癌細胞株にて検討した。1X10^6個の細胞を経脾経門脈性に注入し、肝転移を作成した。同時に抗アシアロGM1抗体を投与し、ナチュラルキラー細胞の活性を抑制した。4週間後に、肝臓の転移の有無、転移数、腹膜転移について検討した。その結果、対照では4/5(80%)に転移を認め、平均52、3個に対し、HGFキメラマウスでは1/5(20%)、平均18個に減少した。腹膜転移は対照で2/5(40%)に対し、0/5(0%)であった。Hep3B,FaO細胞を用いた時も、ほぼ同様の結果を得た。以上を総合すると、肝転移を対照で13/16(81%)に認めるが、HGFキメラマウスでは5/14(35%)であり、また転移の平均個数は対照で46、4個に対し、HGFキメラ群で21、6個にそれぞれ有意に減少した。腹膜転移は、対照群で6/16(37%)に対し、HGFキメラ群で1/14(7%)へと有意に減少した。
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