1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07807060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 康典 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80142933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
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Keywords | 好塩基球 / GTP結合蛋白 / Protein kinase C |
Research Abstract |
人好塩基球の細胞内をpatch-clamp法を用いて潅流すると1μMのCa^<2+>以上から濃度依存性に脱顆粒がおこる。ところが生理的な刺激では細胞内Ca^<2+>は0.5μM程度までしか上昇しない。それ故、人好塩基球からの脱顆粒には、細胞内Ca^<2+>の上昇の他にその作用を増強する因子が働いていると考えられる。我々のこれまでの研究からGTP結合蛋白とprotein kinase Cが好塩基球からの脱顆粒に作用する事が認められている。そこで今回脱顆粒に関連していると考えられるGTP結合蛋白であるrab 3Aの遺伝子発現とCa^<2+>依存性のprotein kinase Cのisozymeについて検討を加えた。rab 3Aの遺伝子発現については、PCR法によりrab 3Aおよびβ-actinのDNAを増幅し、そのままあるいはsouthern blot法にて発現を調べた。その結果対照群の単核球においてはrab 3Aの遺伝子が発現されていたのに対して人好塩基球においてはrab 3Aの遺伝子が発現されていなかった。これに対してβ-actinの遺伝子は両者において同等に発現されていたので、この結果は人好塩基球においてはrab 3Aの遺伝子は発現しておらずその顆粒放出に関与しているGTP結合蛋白はreab 3A以外のGTP結合蛋白の可能性あると考えられた。Ca^<2+>依存性のprotein kinase Cのisozymeであるα、β、γ、isozymeについては、メタノール固定したマウスの抗protein kinase Cα、β、γ抗体を適用しストレプトアビジン法を用いて免疫細胞染色した。その結果人好塩基球においてはprotein kinase C βが強く発現され、protein kinase Cαとγはほとんど発現されていなかった。protein kinase C βはラットのbasophilic leukemia cell lineであるRBL2H3細胞において脱顆粒を促進すると報告されているので、人好塩基球においても脱顆粒を促進している可能性がある。
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