1995 Fiscal Year Annual Research Report
導入cDNA高度発現による多機能器官再生因子HGFの肺組織傷害再生活性評価
Project/Area Number |
07807061
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重柏 政宏 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70261477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
西條 康夫 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (10270828)
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
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Keywords | HGF / アデノウイルス・ベクター / ブレオマイシン / 肺線維症 |
Research Abstract |
1)アデノウイルス・ベクター HGF-cDNA組み込みアデノウイルス・ベクターは、結核研究所濱田博士より、CAGプロモーターを持ったratHGFcDNAを組み込んだアデノウイルス・ベクターAdex1CAHHGFの提供を受け使用した。このアデノウイルス・ベクターはE1領域を欠失させ非増殖性としたもので感染力はあるがウイルス自身は通常感染細胞内で増殖することはできない。293細胞を用いアデノウイルス・ベクターを増殖させ使用した。 2)薬剤誘起性肺傷害の作成 ブレオマイシン(BLM)を用いてBLM感受性のC57BL/6マウスに浸透圧性ミニポンプを用いてBLM持続皮下投与を行う方法にて薬剤誘起性肺線維症を作成した。 3)マウスに対するHGF遺伝子導入及びHGF発現の検討 正常マウスに対し4x10^8pfuのアデノウイルス・ベクターを腹腔内に投与し、投与後11日目に屠殺し各臓器のラットHGF濃度をELISA法にて測定した。HGF濃度は、肺、肝臓、腎臓、脾臓でそれぞれ496.1±199.9、181.9±49.9、164.5±3.1、69.9±15.5 ng/g・tissue(n=3)であった。 4)薬剤誘起性肺傷害マウスへのアデノウイルス・ベクターによるHGF遺伝子の導入とHGFによる肺組織傷害抑制の検討。 2)で用いた肺傷害マウスにアデノウイルス・ベクターを用いてHGF遺伝子の導入を行った。BLM投与開始時にアデノウイルス・ベクターを6x10^8pfuのdoseで腹腔内投与を行った。4週後にマウスを屠殺し摘出肺を病理組織学的検索を行った。BLM単独投与群に比べアデノウイルス・ベクター投与群では肺線維化は著明に抑制されており、線維化の程度を定量化するAshcroftのスコアーでもアデノウイルス・ベクター投与群(1.84±0.15)がBLM単独投与群(2.71±0.19)に比べ有意に低値を示した(p<0.05)。
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