1995 Fiscal Year Annual Research Report
非NMDA型受容体に働く生物毒素由来の新しい抗てんかん薬の開発的研究
Project/Area Number |
07807089
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
石田 展弥 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20159742)
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Keywords | non‐NMDA型受容体 / ジョロウグモ毒素 / アニラセタム / サイクロサイアザイド / てんかん / 細胞障害 / キンドリング / 抗てんかん薬 |
Research Abstract |
ジョロウグモ毒素アナログの1‐NA‐Spmが非NMDA型受容体作動薬であるa‐amino‐3‐hydroxy‐5‐methyl‐4‐isoxazolepropionic acid(AMPA)の作用を抑制することがin vivoのデータでは知られている。しかし、その生体内での作用はまだ明らかではない。これまでの研究成果で、我々は、AMPA誘発性けいれん発作、キスカル酸誘発性けいれん発作、キスカル酸誘発性海馬錐体細胞障害を1‐NA‐Spmが特異的に抑制することを見いだした。 今年度、我々は、抗痴呆薬として開発されたaniracetamと利尿薬として用いられたcyclothiazideがAMPA誘発性けいれんを増強することを生体内で見いだした。さらに、AMPA単独では細胞障害が生じない量においても、cyclothiazideとの組み合わせによって細胞障害が出現することを見いだした。また、十分な例数ではないが、aniracetamとcyclothiazideのAMPA増強作用に1‐NA‐Spmが拮抗して、けいれん発作を軽減し、同時に細胞障害も抑制するという知見を得た。今後例数を、増やして確認する予定である。 1‐NA‐Spmはキンドリング完成後のけいれん発作において、用量依存的に抑制的に作用することが示された。1‐NA‐Spmの抗けいれん作用は、投与1日後でも持続し、4日目で消失した。この結果は、1‐NA‐Spmの抗けいれん作用機序についての示唆を与えるのみならず、扁桃核キンドリングの成立機序についても示唆を与えるものである。この扁桃核キンドリングに対する効果はBrain Researchに報告した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Akira Takazawa et al.: "Potent and long‐losting anticonvulsant effects of 1‐naphtylacetyl spermine,an analogue of Joro spider toxin,against amygdaloid kindled seizures in rats." Brain Research. 706. 173-176 (1996)