1995 Fiscal Year Annual Research Report
MHC抗原によって提示されるヒト膵ラ氏島抗原同定の試み
Project/Area Number |
07807098
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
中西 幸二 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (80211423)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / HLA抗原 / 抗原ペプチド / soluble HLA |
Research Abstract |
インスリン依存型糖尿病はMHC抗原が関与する自己免疫疾患である。本研究はMHC抗原によって提示される膵ラ島抗原の同定を目的とする。今年度はMHC抗原が提示する抗原ペプチドの解析の基礎的な検討を行った。MHC抗原の供給源としてBリンパ球表面からMHC抗原のほかに血清よりのMHC抗原(soluble HLA : sHLA)も用いることとした。まず血清中のsHLAの存在および量(濃度)を評価するためsHLAのELISAによるアッセイ系を確立した。ELISAは第一抗体をW6/32、第二抗体をβ_2microglobulinに対する抗体とするsandwich ELISAで行い、recombinantHLA-B7を標準物質として行った。次に、血漿を材料として、W6/32をリガンドとしたaffinity chromatographyにてHLA class I抗原を分離した。またこれとは別にBリンパ球より分離されたHLA-DR、DQ抗原につきtrifluoroacetic acid処理により抗原ペプチドを回収、HPLCにより分離した。血清中のsHLAはELISAにより測定可能で正常人での濃度は486.5±317.1(mean±SD)であった。正常人ではHLA-A24を有する人の方が有さない人に比べsHLAは高値であった(657±430.6vs.313±242.4ng/ml,p=0.0033)。血漿よりHLA class I抗原の免疫活性を有する分画の分取が可能であった。HLA-DR、DQ抗原より分離された抗原ペプチドはHPLCによりピークとして分取された。sHLAはHLAのタイプによってそのレベルが異なるのでIDDMをはじめとする自己免疫疾患でのレベルの測定を予定している。またHPLCの抗原ペプチドのピークについてはそのアミノ酸配列につき現在検討中である。
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