1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体内微量金属のイオン化存在状態の定量的測定の臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
07807115
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
内山 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80232867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 博信 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40264882)
谷村 弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10026990)
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Keywords | 微量金属イオン / イオン化率 |
Research Abstract |
血清、胆汁、膵液中の遷移金属イオン(Cu^<2+>,Zn^<2+>,Mg^<2+>,Mn^<2+>,Ca^<2+>,Fe^<3+>,Co^<2+>,Ni^<2+>)の抽出法については、過塩素酸による処置と限外濾過法を開発したが、後者が最も簡便で確実であることが判明し(回収率95%以上)、それ以降は全例限外濾過法を用いた。すなわち血清および膵液は1mlを蒸留水で2倍に希釈、胆汁は0.5mlを5倍に希釈し、前述の限外濾過法にて抽出し、各20μlをHPLCシステムに注入した。電気伝導度検出器および分離カラムは島津製作所のCDD-6AとIC-C3を用い、溶離液は1.2mMショウ酸2水和物を利用し、流量を1.2ml/minとし、恒温槽は45℃の条件で測定を行う方法が最も分離が安定してることがわかった。各イオンの検量線にはすべてのイオンに関してr=0.996以上と極めて良好な結果を得た。また各イオンの添加回収率についてもすべて90%以上と満足すべき感度であることがわかった。 臨床応用の面では、Znは健常人の血清ではICP測定による総Zn濃度は108±16μg/dlであるが、Zn^<2+>濃度は3.8±2.6μg/dlであり、イオン化率は3〜5%であった。胆汁中では総Zn濃度は26.3±8.9μg/dlと血清より低値であったが、イオン濃度は8.9±3.6μg/dlと逆に血清より高く、イオン化率は30%を越えること、膵液中では総Zn濃度は350±102μg/dlであるが、Zn^<2+>は9.2±4.2μg/dlと胆汁と同様であり、イオン化率は血清と同じ3〜5%であることが判明した。Cu^<2+>,Mn^<2+>,Ca^<2+>,Fe^<3+>についても同様に体内動態分布を明らかにしつつある。 さらに、今回のシステムでは遷移金属イオンのみならず、NH^<4+>の測定も可能であるので、肝機能障害例で血清NH^<4+>の迅速測定法として応用可能であり、ICGK値とよく相関することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)