1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07807149
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
井川 靖彦 信州大学, 医学部附属病院・泌尿器科, 講師 (40159588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晴朗 信州大学, 医学部附属病院・泌尿器科, 助手 (90233808)
小宮山 斎 信州大学, 医学部附属病院・泌尿器科, 助手 (30273105)
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Keywords | 打診 / 聴診 / 振動 / 共振 / フーリエ変換 |
Research Abstract |
この研究を始める動機は医師が患者に行っている診察の定量化である。たとえば泌尿器科医は診察により膀胱の状態を判断し検査により確認しているが、これを定量化できれば臨床応用は計り知れない。 開発する過程によりソフト、ハード両方向よりアプローチした。人間が診察で感知しうる周波数帯域の装置、予算、材料の豊富さなどを考慮し市販されているオ-ディオ関連機器を利用した。解決すべき課題を以下のように分類した。 1:効率よい振動伝達方法。2:効率よい振動検出方法。3:伝達、検出の切り替え。4:信号解析方法。5:実用レベルの検討。6:臨床的意味付け。 『課題2』では一般的なマイクロフォン(空気振動を電気信号に変換する)よりコンデンサーマイクのほうが有効であるが得られる電気信号は極めて微弱であるためマイクに隣接したプリアンプが必要であった。『課題1』における装置では一般的なスピーカーを使用していたが外部に漏れる音に割に体内に伝わる振動が弱いため、現在は板などに効率よく振動を伝えるパイオニアのACT-1を利用している。『課題3』、『課題4』はソフト、ハードの統合が必要不可欠であり問題が山積みである。初期の実験より打診をそのまま応用することは極めて困難であると判断した。現在は特定の音を短時間に体内に伝え、その直後に振動を検出、フーリエ変換し同じ周波数の音の強さを解析している。最も大きな問題は信号の切り替え時に低周波雑音、およびそれに伴う高調波雑音、切り替え時の雑音などが強く必要な情報が得られないもので、現在 ハードウエアを改良中である。風船、ボールなどではしっかりした信号が得られるが人体(自分自身)では試行錯誤している状態である。 『課題5』、『課題6』については、ハードウエアの改良、スペクトラムアナライザーの導入、複数周波数の同時解析、動物実験、臨床検査に並行しての実験などを実施、検討中である。
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