1996 Fiscal Year Annual Research Report
ノリエ病および類縁疾患における疾病関連遺伝子(ND gene)の検索
Project/Area Number |
07807161
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊佐敷 靖 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70168160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 豊子 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40271142)
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Keywords | Norrie病 / 先天性眼球萎縮 / X染色体連鎖性遺伝 / 疾病遺伝子 / 点突然変異 / 遺伝子重複 |
Research Abstract |
平成8年度までに、Norrie病7家系、X染色体連鎖性遺伝を否定できない家族性硝子体網膜症3家系および第一次硝子体過形成遺残1家系の末梢血DNA試料を蓄積し、Norrie病の疾病遺伝子(ND gene)を検索した。検索症例のうちNorrie病の4家系に、これまでに報告されていないND geneの変異を検出した。概要は以下のとおりである。 (1)翻訳開始コドン変異を独立した鹿児島県の2家系に検出した。この変異があるために、低分子量のND蛋白が生成されることが示唆される。(2)東京都の1家系では、コドン95のミスセンス変異を検出した。この変異ではND蛋白の高次構造に重要とみなされるシステインがアルギニンに置換される。(3)制限酵素による変異の直接検出法を工夫して、(1)および(2)の変異についてヘテロ接合の保因者(X',X)の同定を可能にし、かつ対照試料には該当する変異が認められないことを確認した。(4)千葉県の1家系では、ND geneの重複を示唆する所見が得られた。この家系では、保因者の遺伝子異常は確認されなかったが、ND gene近傍のDNA多型マーカーをみると、X染色体連鎖性遺伝に一致する浸透様式が確認された。(5)上記以外のNorrie病3家系、家族性硝子体網膜症3家系および第一次硝子体過形成遺残1例のND geneに変異は認めなかった。15EA03:以上、これまでに報告されたNorrie病家系の場合と同様に、本邦の家系でもND geneの変異は多種多様である。変異が検出されたNorrie病症例の臨床所見は一様に重篤で、ND gene変異の性状と臨床徴候との関連は明らかではなかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Isashiki,Y.,Ohba,N.Yanagita,T.et al.: "Novel mutation at the initiation codon in the Norrie disease gene in two Japanese families" Hum Genet. 95. 105-108 (1995)
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[Publications] Isashiki,Y.,Ohba,N.Yanagita,T.et al.: "Mutations in the Norrie disease gene : a new mutation in a Japanese family" Br J Ophthalmol. 79. 703-704 (1995)
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[Publications] Isashiki,Y.,Feng,X-M.,Ohba,N.et al: "A novel Ava I polymorphism within exon 5 in the rhodopsin gene" Jpn J Hum Genet. 41. 221-223 (1996)
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[Publications] Isashiki,Y.,Ohba,N.Hokita,N.et al.: "Assessment of mitochondrial gene in proliferative vitreoretinal tissues from familial diabetes mellitus" Jpn J Ophthalmol. 40. 66-70 (1996)
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[Publications] 大庭紀雄、伊佐敷靖: "Norrie病に関する最近の知見" 日眼会誌. 100. 101-110 (1996)
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[Publications] 伊佐敷靖、柳田豊子: "Norrie病" Molecular Medicine. 増刊号. 346-347 (1996)
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[Publications] 伊佐敷靖: "今日の小児治療指針,第11版 24-12.先天網膜異常" 医学書院,東京(印刷中), (1997)