1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫群腫瘍のアポトーシス誘発遺伝子及び抑制遺伝子と予後の関連
Project/Area Number |
07807164
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中田 幸之助 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70081734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 宏隆 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10215155)
高桑 俊文 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90121201)
脇坂 宗親 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30267596)
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Keywords | 神経芽腫 / アポトーシス / Fas / caspase-3 |
Research Abstract |
従来報告してきた神経芽腫におけるApoptosisの発現機序を理解するため、Fasおよびその関連物質(蛋白)の発現状態を観察した。 対象と方法:神経芽腫組織のparafin切片を用い、その32検体でFasを、また46検体でFas ligand,およびcaspase-3に対するImmunoperoxydase染色を施行した。さらに神経芽腫組織溶解液中のFas,FasL,caspase-3の発現をWestern blot法により分析し、基質中のcaspase-3様活性についてTyramideシグナル増幅法(TSA)を用いて分析した。caspase-3様活性を呈した腫瘍についてはAc-DEVD-H peptideを用いたInhibition assayを行った。 結果:神経芽腫組織中のFas発現率はわずか12%であった。Fas発現腫瘍においても発現部位陽性細胞の局在とapoptosis発現部位は一致しなかった。これに比べFasLは検索した組織検体全例に発現した。その発現は神経芽腫あるいは節芽腫で、またstageII〜IVの症例で強い傾向にあった。Western blot分析では10例中8例に約40kDaのFasL蛋白帯が検出された。Caspase-3の様々な程度で発現し、10例中4例に著しいcaspase-3様活性を認め、それらはcaspase-3に特異的なinhibitorであるAc-DEVD-Hによって著明に抑制された。 考察とまとめ: 神経芽腫組織はFasLを好発現するがFasは少数の非apoptosis腫瘍細胞に存在し、FasLおよびcaspase-3の発現は著しかった。caspose-3はDNA fragmentationを導く蛋白体の一つであり、神経芽腫におけるapoptosisの発現はおそらくFas非介在性の発現経路によるものと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takakuwa T.: "Involvement of cell-mediated killing in apoptosis in histiocytic necrotizing lymphadenitis (Kikuchi-Fujimoto disease)" Histopathology. 28. 41-48 (1996)
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[Publications] Koizumi H.: "Demonstration of apoptosis in neuroblastona and its relationship to tumour regression" Virchows Arch. 427. 167-173 (1995)
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[Publications] Nakada K.: "P-70:Experience with intra-abdominal non-Hodgkin's lymphoma:Role of surgery" Medical and Pediatric Onclogy. 29. 404 (1997)
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[Publications] 中田幸之助: "N-mycの免疫組織染色所見と予後" 小児外科. 29. 400-405 (1997)