1996 Fiscal Year Annual Research Report
ケラチノサイトの増殖と分化に関する分子生物学的および組織学的研究
Project/Area Number |
07807168
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
原田 英光 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (70271210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANDLER Bern 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (90271212)
豊島 邦昭 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10112559)
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Keywords | ケラチノサイト / モノクローナル抗体 / 最終分化 / differential display / テロメレース / bcl-2 |
Research Abstract |
モノクローナル抗体G6K12とNGFレセプター抗体を用いたマグネットビーズ法により、口腔粘膜上皮から基底細胞と分化細胞を効果的に分離できた。分離した基底細胞集団とG6K12陽性細胞の集団よりmRNAを抽出し、differential displayを行った。本方法により、基底細胞集団に特異的に発現したPCR産物と分化細胞に特異的に発現したPCR産物を検出した。PCR産物をダイレクトシークエンス法によって検索中であるが、目的とする分化誘導遺伝子やその抑制遺伝子等は得られていない。現在、遺伝子産物の検索を継続している。また、上記の細胞分離法を用いて基底細胞の細胞特性についての検討も同時に行った。なぜなら、粘膜上皮の再生という観点から、基底細胞には幹細胞が存在し、常に分裂増殖し新たな細胞を供給している。このような幹細胞は細胞分裂寿命から逃れるためテロメレースを発現していると考えられているため、上記方法で細胞を分離し、テロメレース活性をTRAP法で検出した。その結果、NGFレセプター発現細胞はテロメレース活性を発現しておらず、G6K12陽性細胞で検出された。これは、基底細胞ではなく、細胞が活発に分裂増殖する基底上細胞にテロメレース活性が存在することを示唆していた。 さらに、アポトーシス抑制遺伝子であるbcl-2が基底細胞のみに発現していることに注目して、bcl-2発現ベクターを扁平上皮癌細胞株SCC-25に導入した結果、SCC-25の細胞分化を抑制した。bcl-2はケラチノサイトの細胞分化に重要な働きをしていると推測できる。
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