1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌感染における熱ショック蛋白誘導とγ/δT細胞
Project/Area Number |
07807174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
斉藤 和子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (30008247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 千穂美 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (00147860)
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Keywords | 熱ショック蛋白 / γ / δT細胞 / 歯周病原菌 / マウス / マクロファージ / 化学発光 |
Research Abstract |
歯周病原菌Porphyromonas gingivalis(Pg),Actinobacillus actinomycetemcomitans(Aa),Fusobacterium nucleatum(Fn)を用いて0D 0.3,1/10MLDの菌量をICRマウス腹腔に注入した後の腹腔滲出細胞における熱ショック蛋白(HSP)の産生、γ/δT細胞の誘導を経時的に腹腔細胞を採取して検討した。また,各菌で免疫後のマクロファージの機能について同菌に対する化学発光と食菌数にて測定いた。HSPの検出は抗ヒトHSP60抗体であるが356-393の結核菌HSPと反応する抗体とHSP70抗体を用いた。γ/δT細胞の測定はPEまたはFITC結合抗CD_3抗体および抗γ/δT細胞受容体(TCR)抗体にて細胞を染色後FACStar plusにて測定を行った。 Pg,Aaの注入により腹腔滲出細胞中にHSPの誘導は起こらなかった。γ/δT細胞数も正常の域に止まり,α/βT細胞の反応が主であった。免疫後のアクロファージの化学発光反応の程度は抗体の添加により増加し食菌数もそれに伴い増加したが、血清無添加による基礎的細胞活性レベルの増加は見られなかった。 Fn注入後のマウス滲出腹腔細胞では3日目にHSP60およびHSP70の量的増加が起こり、7日目になるともとの無刺激の時の量に戻った。。CD_3γ/δT細胞の変動は5-7日で高く正常の範囲を越えて有意に上昇した。CD_4とCD_8陽性γ/δT細胞が等量であったが2週間後にはCD_8の減少が見られた。またα/βT細胞への転換が見られた。マクロファージの化学発光反応は基礎的細胞活性レベルの上昇が見られ,免疫血清の影響はみられなかった。しかし,細胞内食菌数は免疫血清の添加により増加した。 Fnの感染あるいは免疫において細胞親和性細菌の感染と同様の反応がマウスにおいて導かれ,HSP-抗原提示からγ/δT細胞の活性化,α/βT細胞活性化,マクロファージの活性化の経路が明らかとなった。今後,関与サイトカインについて検討をする。
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