1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯肉微小血管内皮細胞が産生する弛緩因子について
Project/Area Number |
07807189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森田 学 岡山大学, 歯学部・付属病院, 講師 (40157904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 一也 岡山大学, 歯学部・付属病院, 助手 (10274002)
石川 昭 岡山大学, 歯学部・付属病院, 講師 (70222958)
渡邊 達夫 岡山大学, 歯学部, 教授 (20034176)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 弛緩因子 / 蛍光法 |
Research Abstract |
本年度は,蛍光法で弛緩因子(一酸化窒素)の定量を試みた。具体的には試料とDAN(2,3-diaminonaphthalene)試薬を96ウェルのマイクロタイタ-プレート内で反応させ,生成された2,3diaminonaphthotriazolを410nmの励起波長で励起し,365nmで測定した。蛍光法では,前年度に試みたジアゾカップリング法(Griess法)と比較して感度は約100倍に上がり,弛緩因子が10nMの範囲まで定量できることが確認された。そこで本法を用いて,まず,大血管由来の内皮細胞に着目し,細胞に機械的刺激を加えて,産生される弛緩因子を定量した。すなわち,ヒト臍帯より分離した動・静脈内皮細胞に機械的刺激(6時間/日の間歇刺激および連続刺激)を加えた場合と加えない場合とで,その培養液中に含まれる弛緩因子の濃度を比較した。その結果,刺激開始前,刺激開始1日後では,いずれの場合でも弛緩因子は検出されなかった。しかし,刺激開始3日後には,動・静脈とも弛緩因子が検出された。動脈では間歇刺激を加えたほうが,静脈では連続刺激を加えたほうが高濃度の弛緩因子を産生した。これに対して,刺激を加えないコントロール群では弛緩因子は検出されなかった。刺激開始5日目には,刺激を加えても,弛緩因子はわずかに産生されるか,もしくは産生されなくなった。今後は,大血管の代わりに歯肉毛細血管由来内皮細胞の機械的刺激を加えて,弛緩因子の動態を追跡する予定である。しかし,毛細血管由来内皮細胞は微量であるが故に,その分離と大量培養が困難である。従って現在,いかに培養細胞数を増やすことができるのか検討中である。
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