1995 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学と免疫学の融合技術,イムノPCR法の開発と超微量定量への応用
Project/Area Number |
07807211
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
遠藤 浩 岡山大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70033090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秀治 岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50220009)
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Keywords | イムノ PCR / イムノアッセイ |
Research Abstract |
イムノアッセイに代表されるように,抗体が持つ厳密な分子識別能を利用した微量測定法は,今日のバイオ技術の根幹として幅広く用いられている。しかしながら,従来の放射性同位体や発色酵素を用いた検出系は,フェムトモル(10^<-15>)濃度を検出限界とし,それ以下の濃度の物質の定量や検出に適用することは不可能であった。本研究では,近年,著しい勢いで発展して来たPCR法と言われる分子生物学的新技術をイムノアッセイの検出系に導入(イムノPCR法)し,これまでに類を見ない超高感度の定量システムの構築とその応用を目的として研究を行った。その結果,次のことを明らかにした。 1 種々の濃度の血清タンパク質(C反応性タンパク質やフィブロネクチン等)を抗原として用い,特異的一次抗体,ビオチン化二次抗体-ストレプトアビジン複合体,並びにテンプレートとしてビオチン化BluescriptプラスミドDNAをベースとして用いた系で,Bluescriptプラスミド特異的プライマーを用いて,常法に基づいてPCR反応を行ったところ,コーティングした抗原濃度に依存してPCR産物量の増大が認められた。 2 PCR産物をエチジウムブロマイド染色後,個々の蛍光強度を測定することによって,抗原濃度に対する標準曲線を得ることができた。 3 PCR産物量は,反応サイクルや温度,アニーリング時間などいくつかのパラメータに依存して変化した。 4 対比の目的で行った比色法による通常のイムノアッセイの感度が数十ナノモル濃度であるのに対して,本測定系はその数百倍高い感度を有していた。
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