1996 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターによる血液細胞機能改変の検討
Project/Area Number |
07807212
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
倉田 寛一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90215038)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 血球細胞 / 造血幹細胞 / サイトカインレセプター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では当初の計画の通り,アデノウイルスベクター(AdV)を用いて以下の検討を行なってきた。 (1)各種サイトカイン発現アデノウイルスベクターの作製とin vitro感染実験 各種サイトカイン(hGM-CSF,mGM-CSF,mIL-2,mIL-4,mIFN-γなど)発現ベクターを作製し,COS細胞や白血病細胞株などにおけるサイトカイン発現をELISAやluciferase assay等により検討したところ,MOI依存的に一過性発現パターンを示した。また,マウスへの経静脈的投与では発現は第3-7日目をピークに第14日目まで観察された。 (2)各種サイトカインレセプター発現ベクターの作製と遺伝子発現効率の検討 ヒトGM-CSFレセプターαおよびβ鎖,β鎖の変異分子などの発現AdVを作製した。これらのベクターはJurkat,COS,NIH3T3細胞などに高効率かつ高レベルに外来性レセプター分子を発現したが,Tリンパ球などビトロネクチンレセプター低発現細胞に対しては数%の細胞に低レベルの発現しか認められなかった。 (3)各種サイトカインレセプター発現ベクターの作製とシグナル伝達の検討 ヒトGM-CSFレセプターαおよびβ鎖発現ベクターをNIH3T3細胞に感染させ,サイトカイン応答性の獲得を^3H-thymidine取り込みやc-fos-luciferase assayにより検討し,ヒトGM-CSF依存性に反応性が認められる傾向があったが,感染による細胞変性などばらつきも大きく確定には至っていない。 以上の結果をもとに造血幹細胞や腫瘍細胞の増殖・分化を外来性レセプター発現ベクターにより制御するシステムの研究を続行している。(本研究代表者は平成8年7月末をもって埼玉医科大学を退職し科学技術振興事業団に転任したため年度途中で本研究費の使用を中断するに至った。)
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Research Products
(1 results)