Research Abstract |
本研究の目的は,これまでの看護系学校における情報科学教育を見直すとともに,今後の看護実践・教育・研究に必要とされるネットワークの活用を含めた情報科学の知識・技術の内容や範囲を再検討し,看護学生のための情報科学教育方法ならびに教育システムを考案することにある。 平成8年度は,「看護学生のための情報科学教育方法に関する全国調査」を実施するとともに,7校の現地訪問調査も行った。前者の調査対象は,全国の看護系の大学,短大,専門学校,専攻科,保健婦学校,助産婦学校等であったが、調査票は学科及び専攻科毎に配付したため,調査対象数は全部で1094件であった。調査票は,科学及び専攻科の種類及び概要,情報科学教育の実施状況や内容,情報処理教育設備の概要,専任教員の情報環境,情報ネットワーク等であった。これらの調査結果から、以下のことが明らかになった。 1.全国調査の有効回答票は577件,回収率は約53%であった。これらの看護系学校の44.5%が情報科学教育を行っていた。教育内容は,情報科学の基礎,コンピュータの仕組みや操作方法等が多かった。 2.情報処理教育用設備は46.6%が有しており,設備も充実しつつあることが窺えた。 3.専任教員用の情報環境では,ワープロが最も普及しているようであったが,パソコン等は約半数程度であった。 4.学内の情報ネットワークは,あまり普及していなかった。インターネットへの接続状況では,9.4%が接続しており,23.4%が接続予定であるとしていた。 5.以上のように,看護系学校においても情報科学教育の実施件数は増加し,情報環境も設備されつつあるが,未だ十分とはいえず,問題点が山積していた。
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