1997 Fiscal Year Annual Research Report
調理操作による食物中の抗酸化性配糖体の変化に関する研究
Project/Area Number |
07808002
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
竹井 瑤子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30017248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井奥 加奈 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (40243282)
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Keywords | 野菜類 / 抗酸化性物質 / フラボノイド / 調理操作 |
Research Abstract |
野菜にはフラボノイドをはじめとする多くの抗酸化性物質が含まれており、生活習慣病の予防をする上で有効であることがわかっている。野菜を摂取する場合には生食ばかりではないことを考えると調理操作によって抗酸化性物質がどのように変動するのか非常に興味深い。そこで、今回フラボノイドとその配糖体に着目し、日常よく使われているタマネギ、キャベツ、ブロッコリーを取り上げて調理操作による含有量の変化を中心に検討した。 タマネギは「炒め」「水煮」「電子レンジ加熱」、キャベツは「水さらし」「水煮」「炒め」、ブロッコリーは「水ゆで」「塩ゆで」「電子レンジ加熱」について実験を行い、それぞれの試料に含まれるケルセチン配糖体および、総ケルセチン、ケンフェロール量、フェノール性物質量、ビタミンC量を主として高速液体クロマトグラフィーを使って定量分析した。得られた値はmg/100g新鮮タマネギ重量に換算した。 今回の実験により、水を媒体とする調理操作によってフラボノイド配糖体はそのままの形でゆで汁に移行することがわかった。また、炒め調理のように高温をかけても総ケルセチン、ケンフェロール量やケルセチン配糖体量には影響を及ぼさず、ほとんど減少しなかった。キャベツに関してフラボノイド配糖体だけでなく他の配糖体についても検討したが、同様の結果になった。フェノール性物質全体では炒めることにより増加し、ゆでることで減少した。ブロッコリーにおいて塩を2%添加すると残存率はいくらか良くなり、キャベツやタマネギを炒める場合に油を添加しても残存率に影響しなかった。緑黄色野菜と淡色野菜間での減少率の相違はみられず、いずれの減少率の傾向も似ていた。従って、野菜を調理して摂取した場合、野菜中のフラボノイド量の減少は全体としみると変化しないと言える。ビタミンC量の変化とフラボノイド量の間に相関はみられなかった。
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