1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07808016
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大内 俊二 中央大学, 理工学部, 助教授 (00185191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 晴雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70260784)
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Keywords | 活断層 / 岩石床小河川 / 河床縦断形の変形 |
Research Abstract |
岩石床河川への地殼変動の影響を理解する一助として、活断層を横切って流れる小河川の形態について調査を行った。具体的には、地形図・空中写真上での簡単な調査の後、1995年1月の阪神大震災時に活動した淡路島の野島断層および1891年10月の濃尾地震時に活動した岐阜県根尾谷の断層を横切る小河川について現地で縦断形を計測した。どちらの地域でも、非常に小さな沢を含めてほとんどの河川が人工的に大きく改変されており、縦断形の計測が可能な河川は非常に限られていた。さらに、計測できる河川は人手が入っていないために非常に荒れており、流路に覆いかぶさる木や竹を取り除きながらの計測は大変苦労の多い作業であった。ただし、本研究のために開発・改良した斜面測量器はその有用性を十分に発揮したということができる。現在、野島断層において6本、根尾谷の断層において3本の河床縦断形の計測を終えたところである。これらの河床縦断形から、縦ずれ断層運動の影響は単純に縦断形中の短い急なセクションとして現れるようであるが、横ずれ断層運動の影響は比較的複雑であることが読みとれる。以前は、横ずれ断層運動の影響が縦断形中の緩やかなセクションとして見られるのではないかと考えられていたのであるが、根尾谷のほんどが横ずれ成分の断層を横切る小河川でも、断層によって変形されたと考えられる部分の勾配は上流部とあまり変わらず、その上流端と下流端に遷急点が見られような縦断形を示していた。これが断層運動に河川がどのように反応した結果なのか(あるいは全く関係のない現象なのか)については、これらの縦断形を詳細に検討するだけでなく、比較的大規模な河川についての大縮尺地形図上の作業も含めて計測例を増やし、十分に検討する必要がある。また、1996年度に開始する予定の水路実験からも有用な知見が得られることを期待している。
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