1995 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ・メディアを利用した初級用統合型日本語・日本事情教材の開発
Project/Area Number |
07808030
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤村 知子 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (20229040)
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Keywords | 日本語教育 / 初級日本語 / 読解 / CAI / 教材開発 / 日本事情 |
Research Abstract |
1.初級段階の日本語教育では、教科書が会話形式であるため、一まとまりの「文章」を読んで理解するという技能の開発があまり行われていなかった。そこで、文章に使用する文型に注意を払い、専門的な用語には外国語訳をつけることによって、90時間終了程度の学習者からでも使える読解教材を作成することができた。 2.文章の内容としては、地図やグラフ、写真、映像が内容理解の助けとなる日本地理という題材を取り上げた。中でも、後半部分では、留学生の関心の高い経済の内容に近いものを入れた。これは、初級段階においては、「日本事情」を「日本語」と統合させて行う方が「読む」という技能を高めるのにより効果的であると考えたことによる。 3.初級段階の教科書で「読解」があまり行われていない理由の一つには、授業時間の不足が挙げられる。学習者が自習できるよう、音声、語彙の外国語訳やできれば文型の解説も、画面切り替え等のマルチメディアの機能を十分に生かしたい。また、CAI教材というと、パソコンのみを利用して学習する方法が採られていることが多いが、読解教材の場合は、印刷教材と併用し、印刷教材ではなかなか表現できないことにCAIの手法を用いたいとも考えている。 4.日本語学習者の多い国の中等教育段階の教科書の日本地理の項目を、日本の学習指導要項と比較してみたところ、気候や地形についての説明は、日本側の説明と大差はないが、産業の項目に関しては、日本の変化が激しいため、それをフォローするまでには至っていないように思われた。
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