1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07808058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
佐竹 研一 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (50101051)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敦 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (80171734)
西川 雅高 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (80228171)
|
Keywords | 入皮 / 鉛 / 重金属 / モニタリング / 年輪 |
Research Abstract |
樹木入皮に注目した“環境汚染のタイムカプセル"研究のため、東京、つくば、赤城山、屋久島等各地から“入皮"を含む樹木のサンプリングを行った。そして、まず入皮形成機構を検討し、その機構には主として三つの型があることを明らかにした。 入皮の形成機構は(1)樹木樹皮表面が傷を受けその修復過程で生じるもの、(2)樹木の枝が樹幹に包み込まれて行く過程で生じるもの、(3)二つの樹木樹幹が生長に伴って合体する過程で生じるものである。(1)の過程で生じる入皮は特に街路樹など人による剪定が常に行われている樹木に多く、今後日本各地あるいは世界各地の街路樹の樹皮を対象とした環境汚染のモニタリングは本研究の応用展開を図る上で有望と考えられた。また、(3)の過程で生じる入皮はその量が多く、着生した植物を含む多くの測定項目を分析研究するのに適していることが明らかとなった。本研究ではこれらの諸過程で形成された入皮を各地から収集し、分析試料とした。これらの入皮のうち特に(1)の修復入皮の中で屋久島産杉より得られたものについてはこれまでの鉛分析に加えて硫黄の安定同位体に注目した分析および樹皮(入皮)pHに関する研究を行い、その特色を明らかにした。このほか入皮については有機汚染物質や汚染元素(砒素、アンチモン)および希土類元素の経時変化を調べるため必要な準備を行った。
|