1997 Fiscal Year Annual Research Report
個体へのcDNA導入・発現系を用いた神経関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
07808078
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 新 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90171420)
|
Keywords | C. elegans / cDNA / 異所発現 / 形質転換動物 |
Research Abstract |
昨年度に作製した発現ライブラリーを線虫個体に導入し、形質転換体を株化し、運動異常を示す株を検索した。 ライブラリーを分割して約250クローンごとにまとめてプラスミドを精製しプールを作製し、プールごとに線虫個体に導入し、形質転換系統の中で表現型を示すものを検索した。 プラスミドプール1に対し、形質転換マーカーであるrol-6の優勢変異をコードするpRF4を重量比で4倍量混合し、導入する線虫株は神経系にGFPを発現している株を用いた。 1プールあたりF1で約50匹の形質転換体を作製し、各プール5-10形質転換系統を作製した。 extrachromosomal arrayが100個のプラスミドから形成されるとすると、平均すれば10系統中にすべてのクローン由来のプラスミドが含まれることになる。 H20約3000クローン相当のプール中には運動異常または神経系の形態異常を示す系統はなかった。EF約3000クローン相当のプール中に、F2で表現型を系統が1つ存在した。この系統では、20匹のF2幼虫のうち16匹が徐々に動きが悪くなり、陰門予定部に突出ができ、卵を産まずに死亡する。しかし、同じプールを再度注入して形質転換しても同じ表現型を示す系統は出現しなかった。このプールでは形質転換体の出現頻度が低いことから、プール中に毒性を持つプラスミドが含まれる。或いは表現型をもたらすプラスミドが多コピーで胚性致死をもたらす等の可能性が考えられる。 現在、検索を続行中であるが、形質転換体系統の作製に手間がかかる上に、表現型を示す転換体の出現頻度がきわめて低いなど、当初予想していたより効率の悪い検索法である事が明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)