1995 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル卵の系を用いた核膜形成機構に関する研究
Project/Area Number |
07808080
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀米 恒好 新潟大学, 理学部, 助教授 (60053352)
|
Keywords | 核膜小胞 / 核膜 / 核膜形成 / 細胞周期 / アフリカツメガエル / 核形成 / オルガネラ形成 / 核マトリックス |
Research Abstract |
アフリカツメガエルの卵の抽出液の系を用いて、核膜再構成の最初のステップである核膜小胞とクロマチンの結合の性状を調べ、この結合に関与する小胞上の膜タンパク質候補を検索し、次のよな結果を得た。 1.核膜前駆小胞上のクロマチン結合因子は、膜内在性タンパク質もしくは膜と強固に結合したタンパク質であり、クロマチン上の因子も非常に強く結合したタンパク質であることが示唆された。 2.小胞上に存在するクロマチン結合タンパク質の活性にはリシン、ヒスチジン、メチオニン残基が重要であることが化学修飾法で示された。 3.小胞とクロマチンの結合は、イオン強度0.34以上で阻害されたことから、その結合に働いている相互作用は静電的なものであると考えられた。 4.非イオン性界面活性剤で可溶化した膜蛋白質をクロマチンと反応させ、クロマチンと核膜前駆小胞との結合が阻害されるイオン強度に一致して、クロマチンから解離してくる5つの膜蛋白質(100k,92k,62k,50k,45k)を見いだした。さらに、様々な試薬処理を施した膜画分から、それぞれの試薬による小胞とクロマチンとの結合阻害の結果に対応して、クロマチンに結合しなくなる5つの膜蛋白質(100k,74k,73k,62k,45k)を見出した。これらのうち100k,62k,45kの挙動は、小胞とクロマチンとの静電的な結合の性質、および様々な試薬による結合阻害の結果と一致していたことから、核膜前駆小胞上でクロマチン結合蛋白質として機能していることが示唆された。 今後これらの三つのタンパク質を精製し、cDNAクローニングや構造解析へと研究を進めていきたい。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] N.Imai: "Purification of 39 KDa and 50 KDa putatire nucleoporins from rattiver nuclear envelopes." Biochemistry(Life Sci.Adv.). 14. 59-66 (1995)
-
[Publications] S.Kawahire: "Subcellular distribution and phosphorylation of the nuclear localization signal binding protein,NBP60." Exp.Cell Res.222(印刷中). (1996)