アンコール遺跡の共振を利用した材質と遺物の測定

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07831007
• Research Institution: Tohoku Institute of Technology
• Principal Investigator: 盛合 禧夫 東北工業大学, 工学部・土木工学科, 教授 (10085459)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 赤間 芳雄 東北大学, 工学部, 助手 (00085416) ; 松村 吉康 東北工業大学, 工学部, 助教授 (90085407)
• Keywords: 共振 / 劣化 / 亀裂 / 遺跡 / 砂岩 / ラテライト / 保存 / 修復

Research Abstract

アンコール遺跡は巨大な石像建築物である。この建造物の材料は砂岩とラテライト(紅土岩)である。この世界的遺跡の保存修復はこの石材の強度・内部の劣化の状態・亀裂の有無を具体的に知ることが大事である。特に、この遺跡を破壊しないでサンプルを採取することが大きな目的であった。
そのようなことで著者らは新共振法を用いて、砂岩・ラテライトの石材を診断した。以下成果をまとめる。
(1)遺跡の材料の砂岩とラテライトの強度を具体的に知ることができた。
(2)砂岩はラテライトに比して強い。
(3)砂岩は極めて合理的に使用されているが、材料不足から使用法の誤りも見受けられた。
(4)岩下の表面が新鮮にみえても内部の破壊や亀裂が発生していることも判明した。
(5)倒壊している岩石には内部の破壊が進行しているものも多数存在していた。
(6)今後のデータ解析して検討を要するが、石材の強度を充分に調査をしなければ修復することは出来ないことが考えられた。

Research Products

• [Publications] 盛合・松村・赤間: "カンボジア・アンコール遺跡における主要構築素材に関する研究" 東北工大紀要I理工学編. 16(3月発行). (1996)
• [Publications] 盛合・松村・赤間: "熱帯アジアの遺跡:地質と地下構造" 大学と科学のシンポジウム(文部省). 第10回. 51-53 (1996)
• [Publications] 盛合・松村・赤間: "熱帯アジア・アンコールの地質を探る" 熱帯アジアの建築遺産の現状と明日を考える(建築学会). シンポジウム. 19-29 (1996)
• [Publications] 盛合・松村・赤間: "新手法(共振法)による石材の診断" カンボジアの文化の復興(上智大学). No.12. 31-32 (1996)
• [Publications] T.Moriai, A.Asada: "Ground Engneeing Pesearchof Ban Teay Kdei" Renaissance Cultulle du Cambodge(上智大学). No.11. 127-133 (1995)
• [Publications] T.Moriai: "hateit and Angken Monuments" Renaissance Cultulle du Cambodge(上智大学). No.11. 159-163 (1995)
• [Publications] 盛合禧夫: "文化遺産の保存と環境(アンコール遺跡の大地)" 朝倉書店, 276(120-135) (1995)