1995 Fiscal Year Annual Research Report
AMS-C14法による歴史資料年代測定に関する研究
Project/Area Number |
07831011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (60270401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 紘一 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (70108637)
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (50205663)
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Keywords | 加速器 / 質量分析 / 炭素14 / 年代測定 / 歴史資料 / 文化財 / 真空ライン |
Research Abstract |
1.資料前処理法の開発 紙・鉄器・土器資料といった歴史資料から,AMS-C14法による年代測定に必要なアモルファス・カーボンを得るための前処理装置を設計開発した。その構成は真空ライン,高周波加熱装置,還元部からなる。上記のうち,高周波加熱装置および真空ポンプについては既に国立歴史民俗博物館に設置されていたものを用いたが,真空ラインおよび還元部については平成7年度に設計された。前処理装置の主要部分は金属製で外部からの汚染を防ぐものであり,必要に応じて焼出することにより内部を常に清浄な状態に保つことができる仕様になっている。 高周波加熱装置で資料を燃焼して生ずる二酸化炭素を還元する方法については,当初はマグネシウムによる還元を計画していたが,アモルファス・カーボンの収率を向上するために水素による還元に変更した。そのため前処理装置中の還元部の設計を見直した。また還元の効率を高めるため,燃焼の際に生ずる二酸化硫黄を除去する必要が生じている。平成7年度は,実際に年代測定を目的とした歴史資料からのアモルファス・カーボンの回収には至っていない。前処理装置については平成8年度以降も細部の見直しが予想され,それに伴ってより効率的な前処理法を検討する必要があると考えられる。 2.測定 前処理法の開発と並行して,東京大学原子力研究総合センターにおいてAMSによる実際の測定を行った。測定に用いた資料としては各研究機関から提供された標準試料を用いた。その結果,従来よりも少ない試料量で,かつ比較的容易に測定が可能であるため,短時間で充分な成果が得られることが明らかになった。 3.結果の補正 平成7年度は標準資料をくり返し測定することで,データの蓄積をはかった。平成8年度はこれらのデータを元に補正計算法を開発していく。
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