1995 Fiscal Year Annual Research Report
シェルモデルと大規模シミュレーションによる2次元乱流の特異性の研究
Project/Area Number |
07832004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木谷 耕司 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70211787)
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Keywords | 2次元乱流 / 特異性 / 準地衡風近似 / 非粘性流 |
Research Abstract |
2次元乱流は3次元乱流と異なる性状の代表例であるが、本研究では特に特異性の発生に焦点を絞って数値的に研究した。ここでは非粘性準地衡近似方程式に従う速度場を選び、大規模数値シミュレーションによって場の特異性の発生を調べた。この方程式は速度場と温度場の関係がLaplacianの平方根で結ばれている点で、2次元乱流と3次元乱流の中間に位置しており、94年にConstantinらによる数値実験(1024^2モード)から特異性が発生することが示唆されているものである。また彼らは解析的に、発散が生じるとすればそれは温度場の微分によるものであることを示している。 そこで本研究では、2048^2モードを用いて数値計算を実行した。その結果数値精度の範囲内において、非粘性問題における温度場の勾配について、その最大値は時間的に二重指数関数的に増大すること、またそのL^2ノルムは時間的に指数的に増大することを見い出した。また粘性問題においては、温度場のL^2ノルムの減衰率εについてε〜R^<-0.45>が成り立つこと(R:Reynolds数)、および温度勾配のL^2ノルムが最大になる時刻t_cについてt_c〜loglogRが成り立つことを見い出した。これらの結果はいずれも、温度勾配について、有限時間の発散を支持せず、従って、Contantinらによる有限時間の発散を支持する数値結果は精度的問題を含むことが結論される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Yamada: "Energy and Enstrophy Fluxes in Shell Models of Turbulence" Proceedings of the Int'l Conf.on Dyn.Systems and Chaos. 197-200 (1995)
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[Publications] K.Ohkitani: "Some Mathematical Aspects in 2D Vortex Dynamics" Proceedings of P.D.E.and Applications. (1995)