1995 Fiscal Year Annual Research Report
時系列信号からのアトラクタ再構成における時間遅れの最適化に関する研究
Project/Area Number |
07832019
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
池口 徹 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (30222863)
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Keywords | カオス / 帰無仮説 / 検定 / アトラクタ / 再構成 / 時間遅れ / 時系列解析 / 非線形 |
Research Abstract |
1.サロゲーション法を用いた相関次元解析 種々の数理モデルより発生させた時系列データに対して,相関次元解析とサロゲーション法の合成に関する検討を行なった.その際,非線形力学系のモデルからのみ時系列信号を生成するだけでなく,確率系からも作成することで,種々の場合に対応できる解析を行なった.その結果,研究代表者の導入した新手法を用いることで,従来手法とは異なり,次元推定値と帰無仮説の検定を同時に行なえることが示され,非線形力学系のモデルでは,線形性を提示する帰無仮説は棄却できること,また,確率系から作成した時系列では棄却できないことが明らかにされた. 2.サロゲーション法を用いたアプノフスペクトラム解析 カオスの示す軌道不安定性を定量化するリアプノフスペクトラム解析により解析を行なった.具体的な手法として,ヤコビ行列を用いた区分線形法を用いた.対象データをランダムな時系列とした場合について考察し,サロゲーション法の特性を明らかにした.その結果,パワースペクトラムの位相をランダマイズするサロゲートデータでは,ランダムデータを対象にした時でも,帰無仮説が棄却される場合があることが示された. 以上の解析は,本研究の最終目的であるアトラクタの再構成時にサロゲーション法を用いることに対する重要な知見を与えるものである.現在は,上述の特徴量(フラクタル次元,リアプノフ指数)に加え,決定論的非線形予測を行なった際の予測時系列と真の時系列間の相関係数,誤差を用いて,再構成時の時間遅れを変化させた時に,オリジナルデータとサロゲートデータとの差が最も大きくなる値を抽出している.また,これに並行して,従来提案されている手法との対応を解析中である.
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[Publications] T.Ikeguchi: "Prediction of Chaotic Time Series with Noise" IEICE Trans.Fundamentals. E78. 1291-1298 (1995)
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[Publications] 寺崎 健: "経済時系列データの非線形ダイナミカル特性に関する解析" 電子情報通信学会論文誌. J78-A. 1601-1617 (1995)
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[Publications] T.Ikeguchi: "Estimating corvelation dimensions of biological time series using ardiable method" Journal of Intelligent and Fuzzy systems. 印刷中. (1996)
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[Publications] T.Ikeguchi: "Nonlinear Prediction on Squid Axon Response" Proc.IEEE,International Conferone on Neural Networks. 6. 3134-3139 (1995)
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[Publications] T.Ikeguchi: "Nonlinear Prediction on Interspike Intervals Produced from Dynamical Systems" Proc.International Symposium on Nonlinear Theory andits Application. 1. 121-126 (1995)
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[Publications] T.Ikeguchi: "On Dimension Estimates with Surrogate Data Sets" IEICE Technical Report. 95-482. 47-54 (1996)