1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07832020
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 京都産業大学, 工学部, 教授 (60180189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 泰住 京都産業大学, 工学部, 教授 (70065861)
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Keywords | 量子ワイヤ / 非線形効果 / 量子井戸型半導体 / 四光子混合 / 非線形Dirac方程式 |
Research Abstract |
本研究では、量子ワイヤ半導体における捕獲電子による非線形効果についての理論的研究、および光ファイバーや量子井戸半導体における光の伝搬に関する実験的研究を行った。 理論的研究において以下の事柄を明らかにした: (1)bulge形状の無限長(ガリューム砒素)モデル量子ワイヤにおいて、捕獲された電子間の相互作用系は、Hartree Fock方程式に類似の非線形方程式で記述できる。 (2)このモデル量子ワイヤにおいて、捕獲された2電子の束縛状態としての安定性は、クーロン相互作用の量子ワイヤにおけるスクリーニング長に大きく依存する。一般的にスクリーニング長が大きいほど2電子束縛状態は不安定になるが、量子ワイヤのサイズ(幅)が小さいほどスクリーニング長の値によらず安定になる。但し、ここでの結論は一次の摂動論に基づくものであり、ここで得た安定性の条件は十分条件であり必要条件ではない。(3)量子ワイヤにおいて捕獲された電子による伝搬電子の透過確率に与える影響は非常に大きく無視できない。この場合も、その効果はクーロン・スクリーニング長の大きさに依存する。 尚、非線形ダイナミクスの研究の一環として、非線形Dirac方程式のソリトン解の外場中でのダイナミクスについての研究も行った。この研究は非線形方程式の性質に関する研究であり、基本的には、上記の量子ワイヤに於ける非線形効果の研究にとって役立つものである。 実験的研究では、光ファイバーや量子井戸型半導体などの低次元性光学媒質における光の伝搬において、光と物質内電子との相互作用に伴う非線形光学効果を実験的に観測し、その解析を行った。特に、光ファイバー中での四光子混合と誘導ラマン散乱の二つの非線形光学効果の共存による相互の影響について詳しく解析した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y. Nogami, F. M. Toyama et. al.: "Stability of two-electron bound states in a model quantum wire" Physics Letters A. 207. 355-361 (1995)
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[Publications] Y. Nogami, F. M. Toyama et. al.: "Nonlinear Dirac soliton in an external field" Journal of Physics A: Math. Gen.28. 1413-1424 (1995)
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[Publications] Y. Nogami, F. M. Toyama: "Coherent state of the Dirac oscillator" Canadian Jounal of Physics. (印刷中). (1996)
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[Publications] 坪井泰住: "二波長ポンピングによる単一モードファイバーにおける四光子混合" 応用物理. 64. 471-475 (1995)
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[Publications] T. Tsuboi: "Optical-absorption bands by exciton-magnon coupling in quasi-2D antiferromagnets" Physical Review. B52. 3406-3409 (1995)
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[Publications] 坪井泰住: "光ファイバーにおける四光子混合への誘導ラマン散乱効果" 光学. 24. 508-512 (1995)