1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07836005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
白岩 善博 新潟大学, 理学部, 助教授 (40126420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 昌司 新潟大学, 理学部, 教授 (60018702)
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Keywords | 渦鞭毛共生藻 / 生育至適条件 / 光補償点 / CO_2親和性 / 酸素阻害 / 光合成特性 / 石灰化 / サンゴ |
Research Abstract |
無脊椎動物における微細藻類の体内共生系においては、生産者である微細藻と、消費者である動物が極めて緊密な関係を有している。このような共生系の確立によって生じる宿主と微細藻の間の関係を調べるためには、共生する微細藻の生理特性を十分理解しておくことが必要であり、本年度は、ヒラムシ(扁形動物)、リュウキュウアオイ(軟体動物)ハンヤサイサンゴ(腔腸動物)より単離された単離共生藻(渦鞭毛藻)を用いて、その基礎的知見の集積を目的とした。 1.培養系の確立のため、至適培地の選択と培養の至適条件を調べ、人口海水Marine ArtにESMを添加した培地が単離状態での培養に適当であることを明らかにした。 2.生育時の至適温度は、30℃であり、5℃では生育は見られなかった。 3.光合成は、150μmol/m^2/s程度の光強度で飽和し、また、光補償点は通常の酸素濃度条件下では10μmol/m^2/sであったが、酸素濃度の上昇によって増大することを見い出した。サンゴ生体における光合成の飽和光強度は400μmol/m^2/s、光補償点は175μmol/m^2/s程度であったことから、サンゴ生体においては、共生藻は、その光合成能力を十分に発揮していない可能性が示された。 4.呼吸はさほどpHには影響されなかった。また、光合成活性もpH6〜8域では大きな変化はなかったが、高pH域(9<)で著しく減少した。 5.5mM NaHCO_3存在下における酸素濃度に対する光合成および呼吸の応答は、宿主種の違いにより異なっていた。これは、各々の共生藻の酸素阻害に対する対応が種によりが特有のものであり、これが宿主種内の微環境の異なりに対する適応であることを示唆する。 現在、単離共生藻が細胞外に放出する物質の同定を行い、宿主細胞との物質的な関係について解析している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ramazanov,Z.: "Effect of external CO_2 concentrations on protein synthesis in the green algae Scenedesmusobliquus(Turp.)Kutz and Chlorella vulgaris (Kosikov)." Planta. 197. 272-277 (1995)
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[Publications] Sekino,K.: "CO_2 release during photosynthesis and respiration from the culture of calcifying and non-calcifying marine unicellular algae." J.Marine Biotechnology. 3. 101-104 (1995)
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[Publications] Sekino,K.: "Role of coccoliths on the utilization of inorganic carbon by a marine unicellular coccolithophorid,Emiliania huxleyi:a survey using intact cells and protoplasts." Plant Cell Physiol.37(印刷中). (1996)
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[Publications] Satoh,A.: "Twolow-CO_2 inducible polypeptides in soluble protein fractions in Chlorella regularis grown at acidic or alkaline pHs." Plant Cell Physiol.37(印刷中). (1996)
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[Publications] 沢田健: "堆積物中の調査アルケノン,アルケノエイトによる円石藻群集組成の復元の試み:培養実験からのアプローチ." Research of Organic Geochemistry. 10. 21-26 (1995)
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[Publications] Ishizuka,T.: "Syanaphin:A protein associated with the docking/fusion complexes in presynaptic terminals." Biochem.Biophys.Res.Commun.213. 1107-1114 (1995)