1995 Fiscal Year Annual Research Report
ウニ16細胞期胚の割球特異的に発現する遺伝子の解析
Project/Area Number |
07836006
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 正晃 金沢大学, 教養部, 助教授 (60182458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 勉 関西学院大学, 理学部, 助教授 (30161532)
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Keywords | ウニ胚発生 / 卵の極性 / 大割球 / 中割球 / 小割球 / エルトリエータ |
Research Abstract |
平成7年の春のバフンウニの生殖期に、RT-PCRに用いるRNAを調製した。バフンウニ16細胞期胚の大、中、小割球をエルトリエータによって分離し、実験によってはそれぞれの割球を海水中で12時間または24時間培養した。各割球あるいはそれぞれの系譜細胞からリチウム-尿素法によってtotal RNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成した。割球特異的に発現する遺伝子を調べるため、Wnt遺伝子群、hedgehog遺伝子群、ホメオボックス遺伝子群において種を越えて保存されている領域に対するオリゴヌクレオチドを合成し、RT-PCR法と3´-RACE法によって検索した。いずれの方法においても、割球特異的な発現は見られなかったが、割球系譜細胞において発現に差がある増幅DNA断片が検出された。Wnt-4遺伝子の発現の強さは小>大>中割球系譜細胞の順であり、植物極に中心があると考えられる。Wnt-4遺伝子の発現は初期胞胚から始まりプリズム期まで続く。現在、胚内での発現を確認するため、in situハイブリダイゼーションの準備を進めている。 現在、平成8年のバフンウニの生殖期であり、16細胞期胚の割球特異的に発現する遺伝子をmRNA differential display法によって検索するためのRNAを調製している。胚発生におけるリチウムイオンによる植物極化の感受性の時期を調べた結果、受精後4-6時間(32細胞期-256細胞期)にはっきりとした感受性が認められた。この時期に極性に関わる遺伝子の発現が予想されるため、16細胞期に分離した大、中、小割球を2-4時間培養した系譜細胞において発現に差がある遺伝子に的を絞って検索する準備を進めている。
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