1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07836007
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
古谷 研 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30143548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 輝 三重大学, 生物資源学部, 助手 (00273350)
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Keywords | 原始緑藻類 / 植物プランクトン / ディビニルクロロフィルa / 亜表層クロロフィル極大 / 黒潮 |
Research Abstract |
1995年7、9、10、11月に黒潮域で培養株の単離と空間分布調査を行った。併せて、6月に赤道域、10、11月に東シナ海にて空間分布調査と、光環境と光合成色素組成の関連について培養実験を行った。その結果、集積培養として7本培養が継続され、連続希釈培養法によってこれらのクローン化を進めている。 空間分布特性については、黒潮域およびその沖合い域では原始緑藻類は普遍的に出現し、現存量は10^3〜10^4細胞/mLであること、分布中心は有光層底部に存在すること、を認めた。また、高速液体クロマトグラフィーによる原始緑藻類特有の補助色素であるディビニルクロロフィルa(chl.a_2)の定量が可能になった。成層期の黒潮からその沖合い域ではchl.a_2は、表層で30ng/l以下と少なく亜表層クロロフィル極大では75ng/l以上と下層で増大した。沿岸では沖合域に比べて少なく全層にわたって40ng/l以下であった。chl.a_2は総クロロフィルaの7.64%から48.91%を占め、原始緑藻類が重要な一次生産者であること、特に有光層の底部においてこの傾向が強いことが明らかとなった。培養から得られたchl.a_2細胞含量1.5fg/cellと現場色素量から、原始緑藻類の現存量は、沖合域では4000〜130000細胞/ml、沿岸域では0〜30000細胞/mlと推定された。蛍光顕微鏡での計測値との比較から、検鏡法が原始緑藻類を過小評価する可能性が指摘された。 原始緑藻類の補助色素の一つであるクロロフィルbのchl.a_2に対する比は深度とともに増加することを、成層域の全側点で認めた。原始緑藻類が卓越する天然群集を青色弱光下にて培養するとクロロフィルb含量が増加した。これらの観測結果から、原始緑藻類が有光層底部で卓越するうえで補助色素組成の変化が重要であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ken Furuya: "Automated precise Winkler titration for determining dissolved oxygen on board ship" Journal of Oceanography. 51. 375-383 (1995)
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[Publications] Ken Furuya: "Distribution of phytoplankton'in the East China Sea in the winter of 1993." Journal of Oceanography. (印刷中). (1996)
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[Publications] Ken Furuya: "Biogeochemical Processes and Ocean Flux in the western Pacific" H.Sakai & Y.Nozaki,Terra Scientific Pulisher, 672 (1995)